読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

星間商事株式会社社史編纂室 三浦しをん著 筑摩書房 2009年

 同人誌執筆を趣味にする主人公・川田幸代(29歳)をはじめとする星間商事社史編纂室の面々が、高度成長期の会社の暗部に気付く。
 ネタばれになってるかな、すみません;

 川田幸代は実咲、英里子とJUNEサークル『月間企画』を組んで同人誌を作り、即売会で販売している。高校時代からの趣味を優先するべく、せっかく打診された企画部の責任者の地位も忙しすぎるからと辞退。ならばと配属されたのが社史編纂室、グラマラスで可愛い後輩のみっこちゃんと、合コンの計画ばかり立てている矢田信平、無能な本間課長に一度も顔を会わせたことのない幽霊部長のみの閑職だった。誰も真面目に働いていないかに見えたが、矢田は秘書課にいた頃の元カノを専務に盗られていたり、みっこは枕営業を強要されていたりと訳ありばかり、この会社はどうも閨閥傾向があるらしい。社史編纂作業の中でも、高度成長期の海外支社発展について言葉少なくなる元社員の多さに疑問を感じた幸代は、強引に取材を進めていく。
 折悪しく同人活動がばれ、本間課長はコミケで社史を売るなどと抜かし出す。供出された原稿用紙のデザインから、星間商事がその昔、サリメニ王国と関わりがあったことが判る。
 専務からは直接、間接的に作業中止の嫌がらせが来る。私生活ではサークル仲間の英里子が、結婚を期に同人活動から足を洗うと言い出すし、恋人で半同棲状態の洋平はふらふらと旅に出てしまう。果たして社史編纂室の面々は、無事社史を作ってコミケデビューできるのか。…

 …『月間企画』、すげぇ。毎回合同誌と個人誌出してるなんて…!  
 私は読み専なのですが、周りを見ていても、学生時代ならともかく社会人になってからのこの発行ペースはすごい! しかもパロディじゃなくてオリジナルででしょ、働きながらこれを保つモチベーション、大したもんだわ。実咲なんて子育てしながら漫画描いてるよ、小説ならまだしも!
 …と、妙な所で感心してしまいました。多分見る所間違ってるよな~(笑)。
 何かね、恋人とのいざこざとか(面白かったけど)裏社史の顛末とか(面白かったけど)幸代が書いてる腐女子小説とか(思わず笑っちゃったけど)よりこの発行ペースのインパクトが強かった。…幸代さんたち、勤勉だわ;
 目の前で会社の上司や同僚に自作のやおい小説読まれるなんて想像もしたくないです。…幸代さん可哀そう、でも神経太い;;
 べるさん、ご紹介して下さってありがとう! いやぁ、友人たちにもっと描くようハッパかけよう、と改めて思いましたよ!(←絶対感想間違ってる)