読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

美女と竹林 森見登美彦著 光文社 2008年

 森見登美彦氏の竹林に対するコダワリを描いた、エッセイ風の小説。…なのかなぁ??(笑)

 どうして反省しないのか。
 虚心に己を見ないのか。
 登美彦氏は言う――「そんなおそろしいことは、お断りだ!」と。

 そんな登美彦氏が惹かれるのは竹林。思い余って大学で竹を切り刻み、酵素の研究などしてみたが、それは登美彦氏の望むものではない。目指すのはカリスマ竹林経営者、法科大学院に通う友人・明石氏と共に、職場の先輩・鍵屋さんちの竹林に向かう。鍵屋さんの御母堂から歯ごたえのあるケーキを戴きつつ、薮蚊に悩まされながら、竹林伐採に精を出し、帰りには焼肉を食う。
 長いこと放っておかれた竹林は密林状態、一度や二度の伐採では手入れにならない。所が登美彦氏はどんどん忙しくなっていく。平日は職場で働き、週末は小説を書く。ゴールデンウィークも締切に追われ、催されるサイン会にも出席しなければならない。しかも山本周五郎賞本屋大賞まで獲ってしまった。雑誌の取材、対談、TV出演。憧れの本上まなみさんにも会えて嬉しいながらも、竹林へ行く暇はますますない。なのに竹林への思いは募るばかり、妄想も育つばかり。とうとう編集諸氏を京都に呼び出し、竹林の手入れに向かう。季節は筍の時期になっていた。…

 …何か分かるなぁ、この拘り。私の場合はつくしですが、春先になると摘みに行きたくて仕方がない。どうしてつくしって墓地に生えるんだろう…。←いや、関係ないだろ、それ。
 「恥ずべきことに、大掃除もしないでのうのうと年を越した(道徳的退廃の典型)。」…ごめん、私もここ数年大掃除してません;
 明石氏も素敵。司法試験終わってすぐ白浜にパンダ見に行ってるし(笑)。
 「なんでこんなに蚊がいるんだ! おかしいではないか! ここにいる蚊は、ふだん誰の血を吸っているというんだ!」  たしかにそれは解きがたい謎だった。
 …本当に(笑)。
 パンダ放し飼い農法、ってすごいなぁ。その竹林カフェ、絶対行くわ(笑)。きっと本上まなみさんも来て下さるでしょう。「それは、もっと先!」とか言いながらも対談が実現して、森見さんよかったですねぇ(笑)。
 吉永小百合さん似の鍵屋さんのお母様チャーミング、関西弁突っ込みの鍵屋さんも(笑)。
 机上竹林はちょっとあってもいいかも。そしてやっぱり、私も阪急蕎麦は食べるべきだと思います。