読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

読書 作家別ま行

過ぎ去りし王国の城 宮部みゆき著 角川書店 2015年

早々に進学先も決まった中学三年の二月、ひょんなことからヨーロッパの古城のデッサン画を拾った尾垣真。やがて絵の中にアバター(分身)を描きこむことで、自分もその世界に入りこめることを突き止める。友だちの少ない真は、同じくハブられ女子で美術部員…

トイレのピエタ 松永大司著 文藝春秋 2015年

この作品を気に入られた方は、この記事を読まない方がいいかもしれません。 画家への夢を諦めて窓ガラス拭きのフリーター生活を送っていた宏は、突然余命三ヶ月の宣告を受ける。残された時間を知るまでは、この夏もいつものように、ただやり過ごすだけの季節…

悲嘆の門 上下 宮部みゆき著 毎日新聞社 2015年

『英雄の書』と同じ世界の作品。 ネタばれあります、すみません; 三島孝太郎は都内の大学の教育学部に通う大学一年生。両親と反抗期真っ只中の中学二年生の妹・一美と暮らしている。大学生活に意義を見出せずにいたが、高校時代のクラブのOB・真岐誠吾に声…

手のひらの幻獣 三崎亜記著 集英社 2015年

ネタばれになってる気がします、すみません; 動物のイメージをあやつる異能力者の日野原柚月は、同じ能力を持つ者たちが所属する会社ハヤカワ・トータルプランニングに勤めて早10年。孤独ながら安定した日々を送っていた。そんなある日、出来たばかりの新研…

お友だちからお願いします 三浦しをん著 大和書房 2012年

だいたいこんな毎日ですが、こんな私でよかったら──。どこを切ってもミウラシヲン(よそゆき仕様・自社比)が迸る! 本屋大賞に輝く人気作家の極上エッセイ集。 (内容紹介より) いや確かに、妄想炸裂状態ではないけれど、でも十分面白いよ、しをんさん! お…

有頂天家族公式読本 森見登美彦+「有頂天家族」親衛隊著 幻冬舎 2013年

アニメを楽しみたい人も、原作をあらためて噛みしめたい人も、単純に森見登美彦ワールドを堪能したい人も満足できる、「森見度100%」の公式ガイド本。 森見登美彦氏のロングインタビューのほか、声優・能登麻美子氏、漫画家久米田康治氏、監督吉原正行氏との…

有頂天家族 二代目の帰朝 森見登美彦著 幻冬舎 2015年

『有頂天家族』第二弾。 ネタばれあります、すみません; 第一章 二代目の帰朝 世界一周の豪華客船へ乗り込んでいった弁天を思い、彼女からの短い手紙を心待ちに鬱々と過ごす赤玉先生を横目に、矢三郎はツチノコ探索に精を出す日々。そんな折、赤玉先生の跡…

神去なあなあ夜話 三浦しをん著 徳間書店 2012年

『神去なあなあ日常』続編短編集。 第一夜 神去村の起源 小学一年生の山太と共に繁ばあちゃんから聞いた神去村の昔話。その昔、神去村は蛇神が住んでいた池がなくなることで生まれ、蛇神は村長の娘と一緒になることで新しい住処を得た。しかしやがて娘は死に…

ビブリア古書堂の事件手帖6~栞子さんと巡るさだめ~ 三上延著 メディアワークス文庫 2014年

『ビブリア』シリーズ6冊目。 ネタばれになってる気がします、すみません; かつて太宰治の稀覯本『晩年』を、栞子から奪おうとした青年・田中敏雄が保釈された。彼は再び大輔たちの前に現れる、今度は依頼者として。 彼の祖父は別の『晩年』初版本、しかも…

舟を編む 三浦しをん著 光文社 2011年

2012年本屋大賞受賞作品。 ネタばれあります、すみません; 玄武書房に勤める馬締光也。 営業部では変人として持て余されていたが、人とは違う視点で言葉を捉える馬締は、辞書編集部に迎えられる。新しい辞書『大渡海』を編む仲間として。 定年間近のベテラ…

荒神 宮部みゆき著 朝日新聞出版 2014年

2013年朝日新聞に連載された作品。 ネタばれになってるかも、すみません; 徳川綱吉の治世。 永津野蕃藩主側近 曽谷弾正の妹・朱音は一人の少年を拾う。命からがら、背中に酷い傷を負った少年は隣りの香山蕃から逃げてきたらしい。気がついた少年・蓑吉は何…

ここはボツコニアン 4 ほらホラHorrorの村  宮部みゆき著  集英社  2014年

『ここはボツコニアン』4冊目。 ネタばれになってるかも、すみません; ピノピが訪れたホラーの村は、ホラーゲームのボツ世界。恨めしそうに浮かぶ顔も、浮かぶだけで何かしてくる訳ではない。今いち作り込まれてない研究所を探索した後、自分たちでエリアボ…

まほろ駅前番外地 三浦しをん著 文藝春秋 2009年

『まほろ駅前多田便利店』続編。 光る石 多田と行天の便利屋に来たOLの依頼は、同僚のエンゲージリングを隠して欲しいと言うもの。自分より立派な指輪を買って貰ったのが許せない、彼女の部屋の掃除に行ったついでに取って来て欲しいと言う。依頼を受けた行…

贖罪 湊かなえ著 東京創元社ミステリフロンティア 2009年

湊かなえ三作目。 ネタばれになってるかも、すみません; 取り柄と言えるのはきれいな空気、夕方6時には「グリーンスリーブス」のメロディ。そんな穏やかな田舎町で起きた、惨たらしい殺人事件。 被害者は小学四年生の足立エミリ、都会から転校してきた洗練…

ペテロの葬列 宮部みゆき著 集英社 2013年

シリーズ3作目。 ネタばれあります、すみません; 社内報のため、リタイアした元幹部社員・森信宏のインタビューを聞いた帰り、杉村三郎と園田瑛子編集長はバスジャックに会った。犯人は佐藤一郎と名乗る老人、要求は三人の人物を連れてくること。銃をかざし…

ビブリア古書堂の事件手帖5~栞子さんと繋がりの時~ 三上延著 メディアワークス文庫 2014年

『ビブリア』シリーズ5作目。 ネタばれになってるかも、すみません; 第一話 『彷書月刊』(弘隆社・彷徨社) 古書屋仲間の間で、噂になっている奇妙な客がいる。年配の女性が『彷書月刊』を4、50冊づつ持ち込んでは、1~2週間後にはまた引き取りに来るんだ…

ビブリア古書堂の事件手帖4~栞子さんと二つの顔~ 三上延著 メディアワークス文庫 2013年

『ビブリア』シリーズ4冊目。 ネタばれになってるかな、すみません; ある日ビブリア古書堂を訪れた女性客は、栞子の母親を訪ねて来た。いなければ、古書に詳しい人を、と。江戸川乱歩の膨大なコレクションを売る条件として、ある謎を解いて欲しい、と言う。…

少女 湊かなえ著 早川書房 2009年

湊かなえ、2作目。 高校二年生の女の子たちの、夏休み出来事を描く。 ネタばれあります、すみません; 敦子は中学まで、剣道をしていた。名門高校からスポーツ推薦が来るほどの腕前、だが、中学最後の県大会で足を捻って団体戦優勝を逃し、以来、スポーツそ…

ビブリア古書堂の事件手帖3~栞子さんと消えない絆~ 三上延著 メディアワークス文庫 2012年

『ビブリア』シリーズ三冊目。 ネタばれになってるかも、すみません; 第一話 ロバート・F・ヤング『たんぽぽ娘』(集英社文庫) 常連客に品揃えの悪さを指摘され、栞子と大輔は「古書交換会」で古書を仕入れることに。しかし目当ての文庫は他店に競り落とさ…

ビロウな話で恐縮です日記 三浦しをん著 太田出版 2009年

人生に退屈なことなど何もない 天下無敵の妄想体質作家・三浦しをんが贈るミラクル・ダイアリー・エッセイ! 著者自身による愛てんこもりの脚注&書き下ろしのおまけも収録! 365日ワンダフル煩悩ライフ――日々いろいろ考察しています。 ロシアの王様の濃厚フェ…

ターミナルタウン 三崎亜記著 文藝春秋 2014年

ネタばれになってる気がします、すみません; 「影」を失った男。闇を浴びて育つ「隧道」。 見えないけれど「ある」ことにされているタワー。 五百人以上を乗せて、姿を消した「下り451列車」。 町興しを手掛ける「接続会社(コネクション)」の思惑。 様々…

ビブリア古書堂の事件手帖2~栞子さんと謎めく日常~ 三上延著 メディアワークス文庫 2011年

『ビブリア』シリーズ第二弾。 第一話 アントニイ・バージェス『時計じかけのオレンジ』(ハヤカワNV文庫) 小菅奈緒が妹・結衣の感想文を持ってビブリア古書堂を訪れてきた。『時計じかけのオレンジ』について書かれた感想文は、大人が心配するのに十分な内…

泣き童子 三島屋変調百物語参之続  宮部みゆき著  文藝春秋  2013年

『おそろし』『あんじゅう』続編。 ネタばれになってるかも、すみません; 魂取の池 神田袋物屋三島屋のおちかの元に、本日不思議語りに来たのは器量よしの若い娘・お文(もん)。思い思われる仲の幼なじみとの結婚が決まっているが、どうしても相手の気持ち…

ふむふむ おしえて、お仕事!  三浦しをん著  新潮社  2011年

なんだかまた、面白い人に会ったぞ! 技と熱(パッション)を持って働く16人の女性たち。著者初の人物探訪記。 「物語」を宿さぬ人はいない。聞いてみたい、それも仕事のことを。 靴職人、ビール職人、漫画アシスタント、フィギュア企画開発、現場監督、活版…

偉大なる、しゅららぼん 万城目学著 集英社 2011年

ネタばれあります、すみません; 琵琶湖畔の石走に代々住み続ける日出家と棗家。両家には受け継がれて来た特別な「力」があった。日出家の力は相手の心に働きかけるもの、棗家のそれは相手の動きを封じ込めるもの。日出家では「力」を受け継いだ人間は、高校…

ビブリア古書堂の事件手帖~栞子さんと奇妙な客人たち~ 三上延著 メディアワークス文庫 2011年

内気で人見知りで、それでも本のこととなると饒舌になる古書店主・篠川栞子が、本の読めない体質の店員・五浦大輔と共に、古書にまつわる謎と秘密を解き明かして行く連作短編集。 ネタばれあります、すみません; 第一話 夏目漱石『漱石全集・新書版』(岩波…

<完本>初ものがたり 宮部みゆき著 PHP文芸文庫 2013年

岡っ引き・回向院の茂七親分の活躍を描いた連作短編集。 お勢殺し 醤油の担ぎ売りお勢の死体が大川で上がった。大女のお勢は父親の病気以降、卸先の問屋野崎屋の手代・音次郎に入れ上げていたが、音次郎はお勢を邪険に思っていたらしい。その日は丁度薮入り…

桜ほうさら 宮部みゆき著 PHP研究所 2013年

舞台は江戸深川。 主人公は、22歳の古橋笙之介。上総国搗根藩で小納戸役を仰せつかる古橋家の次男坊。 真面目で優しかった父・古橋宗左右衛門が賄賂を受け取った疑いをかけられて自刃。傑物とされる兄・勝之介は蟄居の身となり、笙之介は藩校の老師の書生を…

かのこちゃんとマドレーヌ夫人 万城目学著 ちくまプリマー新書 2010年

ネタばれあります、すみません; マドレーヌ夫人はアカトラの猫。小学一年生のかのこちゃんの元に、一年前にやって来た。犬の玄三郎の妻でもある。 かのこちゃんは同じクラスのすずちゃんが気になって仕方がない。すずちゃんは難しい言葉をたくさん知ってい…

聖なる怠け者の冒険 森見登美彦著 朝日新聞出版 2013年

これは、ある宵山の一日に起こった物語である。 一年ほど前からそいつは京都の街に現れた。 虫喰い穴のあいた旧制高校のマントに身を包み、かわいい狸のお面をつけ、困っている人を次々と助ける、その名は「ぽんぽこ仮面」。 彼が跡継ぎに目をつけたのが、仕…