読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

神去なあなあ夜話 三浦しをん著 徳間書店 2012年

 『神去なあなあ日常』続編短編集。

第一夜 神去村の起源
 小学一年生の山太と共に繁ばあちゃんから聞いた神去村の昔話。その昔、神去村は蛇神が住んでいた池がなくなることで生まれ、蛇神は村長の娘と一緒になることで新しい住処を得た。しかしやがて娘は死に、蛇神は空の彼方に去る。

第二夜 神去村の恋愛事情
 自動車免許を取ろうと教習所に通う勇気。その道すがら、勇気はみきさんとヨキのなれそめを聞く。

第三夜 神去村のおやかたさん
 免許を無事取得して、直紀さんとのドライブデート(?)も順調な勇気。祭りの準備に勤しむ神去村で、「おやかたさん」こと清一さんが田んぼに佇む姿を目撃する。

第四夜 神去村の事故、遭難
 祭りの最中、勇気は山根のおっちゃんにヨキや清一の両親が死んだバス事故について聞く。後日、山の中で捻挫して動けなくなった勇気は、一晩の野宿の機会に、ヨキから当時の思いを聞いた。

第五夜 神去村の失せもの探し
 山根のおっちゃんが「守り神」のオコゼの干物を失くした。村のお稲荷さんへの祈願に付き合う勇気。その霊験あらたかな様子に、勇気は万年筆をなくした直紀を、お稲荷さん詣でに誘う。

第六夜 神去村のクリスマス
 学校でクリスマスの話を聞いてきた山太。皆で考えた挙げ句、清一の家でクリスマスパーティーを開くことに。ツリーは赤松だし妙に和風で七夕チックだし、妙にピントがずれているものの、山太はそれでも嬉しそう。勇気も直紀との二人きりのデートを断念し、クリスマスプレゼントを買いに名古屋へ向かう。

最終夜 神去村はいつもなあなあ
 イブのパーティーの様子と、直紀との進展が語られる最終話。…


 何しろ本編『神去なあなあ日常』の細かい内容を、ほぼ忘れておりまして;;
 都会育ちの男の子が林業に勤しむ話だったよなぁ、ってレベルでしか記憶になかったんですが、それでも楽しめました。
 元々昔話の類いは好きなんですが、神去村の昔話は何だか生々しいなぁ(苦笑;)。それをあっけらかんと話す繁ばあちゃん、お見事です。
 神去村を襲った悲劇も語られ、ヨキや清一それぞれの背負ったものも明らかになった一冊。三郎じいさんの、「いまの雰囲気が一番好きや」の言葉が胸に染みます。本当にそうなのかな、だったらいいなぁ。
 それにしても、山太はいい子だ、本当に。