第一章 二代目の帰朝
世界一周の豪華客船へ乗り込んでいった弁天を思い、彼女からの短い手紙を心待ちに鬱々と過ごす赤玉先生を横目に、矢三郎はツチノコ探索に精を出す日々。そんな折、赤玉先生の跡継ぎである“二代目”が英国より帰朝してきた。二代目は赤玉先生と仲が悪い。二代目が出て行った折りの大騒ぎを再燃するかのごとく、赤玉先生は二代目に『果たし状」を突きつけた。
第二章 南禅寺玉瀾
かつて偉大な父・下鴨総一郎が主催していた「南禅寺狸将棋大会」を、長兄・矢一郎は復活させた。だが狸将棋の最中、金閣銀閣の挑発に乗った矢三郎は大会を台無しにしてしまう。矢一郎は将棋好きな南禅寺の娘・玉瀾のためにも、成功させたかったのに。
第三章 幻術師天満屋
寺町通りアーケードの上に、違法建築物を建てて住み着いている男がいる。幻術を操るその男は天満屋と名乗り、矢三郎まで手玉に取る策士っぷり。淀川教授によると、天満屋は教授の知り合いの菖蒲池画伯の所有する地獄絵の屏風から抜け出て来たのだとか。どうやら彼には弁天とも因縁があるらしい。そして、弁天が帰ってくる。
第四章 大文字納涼船合戦
奈良の狸から借りるはずだった納涼船が、金閣銀閣の横やりで駄目になった。矢三郎は赤玉先生から借りた茶釜エンジンで、次兄・矢二郎が化けた偽叡山電車を飛ばそうと計画する。そして五山送り火の宵、金閣銀閣と下鴨家の喧嘩はやがて二代目と弁天との争いに発展した。
第五章 有馬地獄
金曜倶楽部に連れて行かれた淀川教授を追って、矢三郎も有馬温泉へ。そこには何故か行方をくらませていた叔父・夷川早雲の姿もあった。抜けた淀川教授に代わって、金曜倶楽部に入会しようと画策する早雲。だがひょんなことからその枠には矢三郎が推薦され、怒りに我を忘れた早雲は正体を現し、天満屋に空気銃で撃たれてしまう。
第六章 夷川家の跡継ぎ
夷川早雲の葬式の日、早雲の長男・呉一郎が帰ってきた。長年の修行ですっかり悟りを開いていた呉一郎は下鴨家との和解を進め、一安心した矢二郎は旅に出ることにする。矢一郎の為右衛門認定も順調に進むかに思われた。
第七章 天狗の血、阿呆の血
狸選挙当日。矢三郎は許嫁の海星ともども天満屋に捕まり、金曜倶楽部の鍋の材料にされようとしていた。矢二郎は四国で呉一郎と名乗る狸に会い、共に京都に帰る決意をする。淀川先生が奔走し、弁天が踏み込み、呉一郎の正体と目論見が明らかとなる一方、赤玉先生と二代目が相まみえる。… 途中、なんだかやたらとカップヌードルカレー味が食べたくなった一冊。そう言えば長いこと食べてないなぁ。
う~ん、凄いぞ、矢三郎の声が櫻井孝宏さんの声で聞こえる…!
勿論弁天は能登麻美子さん、矢二郎は吉野裕行さんで。私、アニメの方はそんなに熱心に見ていたつもりはなかったんですが、結構印象強かったんだなぁ。まぁ元々久米田康治さんの絵は好きだし、キャスト豪華だったし。
一冊目と変わらず愛おしい、深刻になりそうでならない毛玉たちの吞気さ。命の危険まで迫ってるのに、何なんでしょう、とにかく可愛い。いや、食べちゃいたいとは思いませんけど(苦笑;)。海星ちゃんのツンデレっぷりにはきゅんきゅん来ましたね、矢三郎、弁天に心奪われてる場合じゃないよ!
その点で行くと玉瀾の「知ってた」にもぐっと来ましたね。「だから私がいるんでしょう?」、そりゃ矢一郎も惚れるわ。
終盤、呉一郎の正体が判った段階で、個人的にテンションが上がってしまいました。うわぁ、『二代目の帰朝』もアニメ化希望! 早雲役は飛田展男さんだったよね、かなり低めの野太い声使ってらっしゃった筈、そしたら偽呉一郎はきっと取り澄ました二枚目声で演じ分けて下さるだろう、わぁ、見てみたい!
最後は何だか切ない展開になりました。「狸であったらだめなのだ」、自分ではだめなのだ、ってのは実は深いかも。…やっぱり可笑しいけど。天狗も大変だ。
三部作なんですよね、弁天に救いはあるのか、帰ってきた二代目は。次も楽しみです。
う~ん、凄いぞ、矢三郎の声が櫻井孝宏さんの声で聞こえる…!
勿論弁天は能登麻美子さん、矢二郎は吉野裕行さんで。私、アニメの方はそんなに熱心に見ていたつもりはなかったんですが、結構印象強かったんだなぁ。まぁ元々久米田康治さんの絵は好きだし、キャスト豪華だったし。
一冊目と変わらず愛おしい、深刻になりそうでならない毛玉たちの吞気さ。命の危険まで迫ってるのに、何なんでしょう、とにかく可愛い。いや、食べちゃいたいとは思いませんけど(苦笑;)。海星ちゃんのツンデレっぷりにはきゅんきゅん来ましたね、矢三郎、弁天に心奪われてる場合じゃないよ!
その点で行くと玉瀾の「知ってた」にもぐっと来ましたね。「だから私がいるんでしょう?」、そりゃ矢一郎も惚れるわ。
終盤、呉一郎の正体が判った段階で、個人的にテンションが上がってしまいました。うわぁ、『二代目の帰朝』もアニメ化希望! 早雲役は飛田展男さんだったよね、かなり低めの野太い声使ってらっしゃった筈、そしたら偽呉一郎はきっと取り澄ました二枚目声で演じ分けて下さるだろう、わぁ、見てみたい!
最後は何だか切ない展開になりました。「狸であったらだめなのだ」、自分ではだめなのだ、ってのは実は深いかも。…やっぱり可笑しいけど。天狗も大変だ。
三部作なんですよね、弁天に救いはあるのか、帰ってきた二代目は。次も楽しみです。