読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

偉大なる、しゅららぼん 万城目学著 集英社 2011年

 ネタばれあります、すみません;

 琵琶湖畔の石走に代々住み続ける日出家と棗家。両家には受け継がれて来た特別な「力」があった。日出家の力は相手の心に働きかけるもの、棗家のそれは相手の動きを封じ込めるもの。日出家では「力」を受け継いだ人間は、高校三年間を石走の本家に住み、力をコントロールする修練を積まねばならない。
 日出涼介は日出家次期当主・日出淡十郎と共に石走高校に通い始めた。クラスメイトには棗家の長男・棗広海と校長の娘・速瀬。淡十郎は速水に恋心を抱くが、速瀬の心は棗に向いている。やがて、速瀬校長から、両家に宣戦布告がなされた。校長は両家の力を合わせもっており、両家共にこの地を出て行け、と脅迫する。代償として、日出家は淡十郎の父・日出淡九郎が、棗家は棗広海の父・永海と妹・潮音が、仮死状態にされてしまう。
 仕方ない、と石走を離れることを決意する日出家の一族。だが、淡十郎をその姉・清子は諾としない。涼介や広海も巻き込んで、校長を対決することを選ぶ。清子は琵琶湖の湖畔で、涼介と広海にお互い力を使いあえと命じる。清子には湖からの声が聞こえる、と言う。果たして十戒よろしく湖が割れ、竹生島までの道が開けた。涼介と広海は湖底を進み始める。…

 
 京都、奈良、大阪と来て今度は滋賀でしたか。確かに、琵琶湖は格好の題材ですよね。
 清子のビジュアルは何となく漫画『銀の匙』(荒川弘)のタマ子ちゃんで浮かびました。あの堂々たるふてぶてしさが素敵です(笑)。淡十郎も同じような感じなんですけどね、淡い恋が破れる所なんか、何とも言えずユーモラス。その後の常人とはちょっと方向性の違う前向きさや対策の立て方も。でも彼、殿様だけあって責任から逃れたりしないんですよね。全て僕の所為だ、と受けとめながら苦悩する。結局尻拭いしたのは棗なのが、どうもねぇって感じですが。
 さて、次は時代小説だとか。和歌山か兵庫に行くかと思っていたので、ちょっと残念。予約ラッシュが一段落ついて、図書館の書架に並ぶ頃また読もうかと思います。