読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ビブリア古書堂の事件手帖2~栞子さんと謎めく日常~ 三上延著 メディアワークス文庫 2011年

 『ビブリア』シリーズ第二弾。

第一話 アントニイ・バージェス時計じかけのオレンジ』(ハヤカワNV文庫)
 小菅奈緒が妹・結衣の感想文を持ってビブリア古書堂を訪れてきた。『時計じかけのオレンジ』について書かれた感想文は、大人が心配するのに十分な内容。だが栞子はその感想文に不審な点を見出す。「これを書いた人は、本当の意味で『時計じかけのオレンジ』を読んでいません」

第二話 福田定一『名言随筆 サラリーマン』(六月社)
 大輔の高校時代の同級生・高坂晶穂が、亡父直々のご指名としてビブリア古書堂に蔵書の買い取りを依頼してきた。実際宅買いに出向いてみると、晶穂の父親には懇意にしていた古書店があった様子、しかもビブリア古書堂を名指しした決め手は「店番をしていた大輔に古書の知識が無かったこと」らしい。司馬遼太郎等の時代小説、歴史小説や伝奇小説が並ぶ本棚の前で、栞子は父親が娘に残したかった物に気付く。

第三話 足塚不二雄『UTOPIA 最後の世界大戦』(鶴書房
 「足塚不二雄の『UTOPIA 最後の世界大戦』は、いくらで買っていただけますか」
 中途半端に住所を記入したまま、買い取り依頼をしたその客は姿を消してしまった。持ち込まれた本の様子から家の間取りを推察した栞子と大輔は、その客の家を探し当てる。聞くと『UTOPIA 最後の世界大戦』は父親の蔵書で、栞子の母親とも関わりのあった本なのだとか。懐かしそうに語る客を前に、栞子は別の真相に思い当る。

プロローグ エピローグ 坂口美千代『クラクラ日記』(文藝春秋
 栞子の母親が出て行った折り、栞子に残していったという坂口美千代著『クラクラ日記』。栞子はその古書を何冊も手に入れては店で売っているらしい。確執のある母親との思い出の書にまつわる不可解な行動の理由を、大輔が紐解く。…


 栞子さんは「すみません」、大輔は「すいません」って言うのね~、微妙微妙。
 第二話はドラマになっていませんでしたね、この中に出てきた 国枝史郎『蔦葛木曽棧(つたかずらきそのかけはし)』は珍しく(苦笑;)読んでみたいなぁ、と思いましたよ。当時ラジオドラマみたいなのにならなかったのかしら、面白そうだなぁ。で、司馬遼太郎推理小説ぶった切りの文章も面白かった(笑)。
 一巻の表紙を栞子さんのお母さんに見立てての第三話、ドラマでは安田成美さんが演じてらっしゃいましたね。お母さんとのエピソードは原作とドラマ、同じ展開をするんでしょうか。
 それにしても、休みの日ごとに本屋を巡るのは変わってるんでしょうか。私も自転車でよく回ってましたけど。