読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ビブリア古書堂の事件手帖3~栞子さんと消えない絆~ 三上延著 メディアワークス文庫 2012年

 『ビブリア』シリーズ三冊目。
 ネタばれになってるかも、すみません;

 常連客に品揃えの悪さを指摘され、栞子と大輔は「古書交換会」で古書を仕入れることに。しかし目当ての文庫は他店に競り落とされてしまった上、出した覚えのない古本がビブリア古書堂の名前で出品されているという。仕方なく栞子の蔵書からコバルト文庫たんぽぽ娘』を店に出した所、それはうちから盗まれたものだ、というクレームがついた。濡れ衣を晴らすために、真犯人を見つけなければならない。だが、栞子にはもう心当たりがあるらしい。

第二話 『タヌキとワニと犬が出てくる、絵本みたいなの』
 常連客坂口しのぶから、小さい頃読んだ本を捜して欲しい、と依頼された。内容が「タヌキとワニと犬が出てくる、絵本みたいなの」。珍しく今一つぴんと来ない様子の栞子に、しのぶは実家に一緒について来てほしいと言う。どうやらしのぶは両親とあまりうまく行っていないらしい。

第三話 宮沢賢治春と修羅』(關根書店)
 栞子の母親の友人・玉岡聡子から依頼があった。亡父の蔵書が一冊無くなった、犯人を突き止めて欲しいというもの。宮沢賢治の初版本『春と修羅』、金に困っている兄夫婦のどちらかが盗ったに違いないと聡子は主張する。栞子は聡子の思惑まで含めて、真相を見抜いてみせる。
 
プロローグ、エピローグ 『王様のみみはロバのみみ』(ポプラ社
 栞子の妹・文香の日記、のようなもの。…


 この辺りもドラマになってましたね、内容もよく覚えていました。でも、第二話の依頼主は坂口しのぶじゃなかったと思うんだけど。
 『たんぽぽ娘』は読んだことがありました、『年刊SF傑作選2』の方で。高校の図書室にあったんじゃなかったかな。魔夜峰央の『ラシャーヌ!』だったかで、下敷きにしたんだろうな、っていう短編がありましたよね。確か『パタリロ!』にもクリスティの短編を参考にしてるな、という作品があった筈で、今にして思えばいい時代だったんだなぁ、とちょっと思い出してしまいました。「あ、知ってる知ってる」みたいな感じで、作者と同じものを共有しているというこっそりした嬉しさがありましたもの。今じゃきっともっと目くじらたてられるだろうなぁ。
 『春と修羅』の方も、ほとんど内容覚えていたのに、ぐんぐん引きこまれて読みました。甥っ子君の「一応、流行りも押さえてるんで」の言葉にちょっとにやり。気持ち分かるよ、うん(笑)。一巻の表紙を肖像画にみたてたエピソードを、さらにふくらませて来ましたね、お見事だなぁ。
 栞子さんのお母さんの共犯者(?)は妹ちゃんだった訳で、ドラマ通りならお母さんも近日出演ですよね。楽しみ楽しみ♪