読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

読書 作家別か行

偽造手記 国分寺公彦著 新潮社 1999年

第10回日本ファンタジーノベル大賞 最終候補作品。 ネタばれになってるかも、すみません; ある殺人事件の容疑者が書き上げた「手記」。それは被害者にしか書き得ないものだった!? …日記から発覚した妻の浮気。「ぼく」は盗聴器を仕掛け、妻と相手の男を尾行…

ヴェネツィア便り 北村薫著 新潮社 2017年

短編集。 ネタばれになってるかも、すみません; ――あなたの「ヴェネツィア便り」は時を越えて、わたしに届きました。この手紙も、若いあなたに届くと信じます――なぜ手紙は書かれたのか、それはどんな意味を持つのか……変わること、変わらないこと、得体の知…

夢の宮~竜のみた夢~ 今野緒雪著 集英社コバルト文庫 1994年

今野緒雪デビュー作。 ネタばれあります、すみません; 夢の宮~竜のみた夢~ 鸞(ロアン)国の『幸福の姫君』瑛蘭は、希劉・康崚の二人の幼馴染として共に過ごしてきた。彼女はいずれどちらかと結婚して正妃になる身、だが隠されたお告げは広く告げられたも…

リリース 古谷田奈月著 光文社 2016年

ネタばれになってる気がします、すみません; 女性首相ミタ・ジョズの活躍の下、同性婚が合法化され、男女同権が実現した“オーセル国”。精子(スパーム)バンクが国営化され、人々はもう性の役割を押し付けられることはなく、子供をもつ自由を手に入れていた…

魔法使いと副店長 越谷オサム著 徳間書店 2016年

藤沢太郎(41歳)。憧れのマイホームを買ったばかりなのに、いきなりの転勤命令! 妻と幼い息子を残し、湘南にあるスーパーで、本社復帰を目指して副店長としての業務に勤しむ日々を過ごしている。ある日、自宅アパートの窓から、箒に乗った女の子が突入! アリ…

占い師はお昼寝中 倉知淳著 創元推理文庫 2000年

渋谷のおんぼろビルにある「霊感占い所」には、今日も怪現象に頭を悩ますお客さんがやって来る。身の回りのものが消え失せていくサラリーマン、ポルターガイスト現象に苛立つキャリアウーマン、写真を撮ったら背後に霊が写った学生、そしてドッペルゲンガー…

ジュンのための6つの小曲 小谷田奈月著 新潮社 2014年

連作短編集。 学校では「アホジュン」と蔑まれ、友達はひとりもいない。でも、孤独じゃなかった。「音」があった。自転車があった。歌われることを待っている「歌」もあった。 14歳。夏の少し前。同級生のトクが奏でるギターを聴いて、ジュンは、やっと気が…

遠い唇 北村薫著 角川書店 2016年

短編集。 遠い唇 大学時代にもらった追い出しコンパの案内葉書が出て来た。差出人は長内先輩、ほのかな憧れの女性、そして今は亡き人。そこに書かれていたアルファベットの暗号文を、今更読み解いてしまった。あの時解読していたら、どうなっていたのだろう…

翻訳問答2 創作のヒミツ 鴻巣友季子×奥泉光 円城塔 角田光代 水村美苗 星野智幸 左右社 2016年

あの名対局から1年! 今度は、てごわいオールスター小説家軍団と真剣対局! 水村美苗、奥泉光、角田光代、星野智幸、円城塔 を相手に、鴻巣友季子がプロの翻訳家のプライドをかけて、いざ勝負! 『吾輩は猫である』『竹取物語』『雪女』『嵐が丘』『アラビアン…

カメリ 北野勇作著 河出文庫 2016年

楽しいって、なんだろう? 世界からヒトが消えた世界のカフェで、模造亀(レプリカメ)のカメリは思う。朝と夕方、仕事の行き帰りにカフェを訪れる客、ヒトデナシたちに喜んでほしいから、今日もカメリは石頭のマスターとヌートリアンのアンと共にカフェで働…

現代詩人探偵 紅玉いづき著 東京創元社ミステリ・フロンティア 2016年

ネタばれになってるかも、すみません; とある地方都市で、「将来的に、詩を書いて生きていきたい人」が参加条件のSNSコミュニティ『現代詩人卵の会』のオフ会が開かれた。互いの誌の合評を行い、現代詩について語り合った九人の参加者は、別れ際に約束を交…

翻訳問答 英語と日本語行ったり来たり 片岡義男X鴻巣友季子著 左右社 2014年

作家・片岡義男と翻訳家・鴻巣友季子が、『赤毛のアン』『ロング・グッドバイ』『高慢と偏見』…… といった不朽の名作を競訳。 翻訳真剣勝負。 勝つのは作家か、翻訳家か? 片岡義男の翻訳術を初公開。 翻訳から言葉の謎と世の中の不思議と作家たちの頭の中が…

中野のお父さん 北村薫著 文藝春秋 2015年

〈本の達人〉が贈る新名探偵シリーズ 体育会系な文芸編集者の娘&定年間際の高校国語教師の父が挑むのは、出版界に秘められた《日常の謎》! □「応募してませんよ、わたしは」 新人賞最終選考に残った候補者からの思いがけない一言は?(夢の風車) □「実は、…

モルフェウスの領域 海堂尊著 角川書店 2010年

日比野涼子は桜宮市にある未来医学探究センターで働いている。 東城大学医学部から委託された資料整理の傍ら、世界初の「コールドスリープ」技術により人工的な眠りについた少年・佐々木アツシの生命維持を担当していた。アツシは網膜芽腫が再発し両眼失明の…

アリアドネの弾丸 海堂尊著 宝島社 2010年

ネタばればりばりあります、すみません; 東城大学病院で再び殺人事件が! 「この事件はすべてが不自然すぎる。絶対にどこかがおかしいんだ」 東城大学病院に導入された新型MRIコロンブスエッグを中心に起こる事件の数々。さらには、病院長に収賄と殺人の容…

太宰治の辞書 北村薫著 新潮社 2015年

時を重ねて変わらぬ本への想い……《私》は作家の創作の謎を探り行く――。 芥川の「舞踏会」の花火、太宰の「女生徒」の“ロココ料理”、朔太郎の詩のおだまきの花……その世界に胸震わす喜び。自分を賭けて読み解いていく醍醐味。作家は何を伝えているのか――。 編…

ブレイズメス1990 海堂尊著 講談社 2010年

ニースの国際学会にお供することになった新米外科医・世良。命じられた秘密ミッションは、伝説の天才外科医・天城に佐伯教授からのメッセージを渡すことだった。一筋縄ではいかないクワセ者の天城を相手に、カジノで一世一代の賭けをした結果、無事日本に連…

犬と私の10の約束 川口晴著 文藝春秋 2007年

作者不詳の短篇詩「犬の十戒」をヒントに生まれた物語。 …このお話をお好きな方は、この記事を読まれない方がいいかと思います;; ある日、12歳になったばかりのあかりが学校から帰ってみると、庭の植え込みからヨチヨチ歩きの子犬が出てきました。犬を飼い…

あやかし飴屋の神隠し 紅玉いづき著 角川メディアワークス文庫 2014年

いかなるものも“視えないものはない”青年・叶義(かなぎ)と“つくれないものはない”腕を持つ飴細工職人・牡丹。二人が営む飴細工屋台を訪れる人々を描いた連作短編集。 ネタばれあります、すみません; 第一話 赤錆 恋人にプロポーズされた夜、成深は飴細工…

マドンナ・ヴェルデ 海堂尊著 新潮社 2010年

『ジーン・ワルツ』を代理母から見たサイドストーリー。 美貌の産婦人科医・曾根崎理恵、人呼んで冷徹な魔女(クール・ウィッチ)。彼女は母に問う。ママ、私の子どもを産んでくれない──? 日本では許されぬ代理出産に悩む、母・山咲みどり。これは誰の子ど…

慶應本科と折口信夫 いとま申して2 北村薫著 文藝春秋 2014年

〈本の達人〉北村薫が読み解く小さな昭和史 明治42年に生まれた父の青春を遺された日記をもとに描き、〈昭和〉という時代を描く「いとま申して」シリーズの第二弾。今回、著者の父・宮本演彦は慶応大学予科から、遂に本科へと進む。そしてこの物語の主役とも…

八月の六日間 北村薫著 角川書店 2014年

アラフォー独身女性の山歩きの記録。 40歳目前、文芸誌の副編集長をしている“わたし”。ひたむきに仕事をしてきたが、生来の負けず嫌いと不器用さゆえか、心を擦り減らすことも多い。一緒に住んでいた男とは、3年前に別れた。そんな人生の不調が重なったとき…

荒神絵巻  こうの史代 絵と文/宮部みゆき 原作  朝日出版社  2014年

朝日新聞で連載されていた宮部みゆき著『荒神』の挿絵をオールカラーで全て収録。描き下ろしも加え、こうの史代が原作に添った文章も書いた一冊。 朝日新聞での連載分を、母が全部置いていまして。私が『荒神絵巻』を読む前に全てチェックして、「順番随分変…

月ノ森の真弓子 勝山海百合著 イースト・プレス 2014年

大切なものを失くした二人・駿矢と姪の真弓子は招かれ、山に帰ることを決めた。岩手と宮城の狭間に秘かに存在する「月ノ森」へ――。 この地で湧水「命迦泉」の番を始めた二人は、様々なものと巡り逢う。人と、人にあらざる者と……。 中国をはじめアジア各地の…

極北クレイマー 海堂尊著 朝日出版社 2009年

「ウチの病院は今年中に潰れるぜ」 財政難にあえぐ人口10万の北海道・極北市。 赤字の市民病院に赴任した非常勤外科医・今中良夫は、院内での対立、不衛生な病床、意欲のない医師やスタッフ、医療費の未払いといった、問題山積の現場に愕然とする。 そんなな…

ジェネラル・ルージュの伝説 海堂尊ワールドのすべて 海堂尊著 宝島社 2009年

映画化&ドラマ化もされた320万部突破のベストセラー『チーム・バチスタの栄光』の、大人気「田口・白鳥」シリーズ最新刊が登場です。 本作は、シリーズ第3弾『ジェネラル・ルージュの凱旋』のスピンオフ小説。救命救急医・速水が「将軍」と呼ばれるきっかけ…

いとみち 三の糸 越谷オサム著 新潮社 2014年

『いとみち』最終巻。 ネタばれになってるかも、すみません; 相馬いとも高校三年生。津軽メイド喫茶でのバイトも充実して、精神的な成長も著しい。漫画家目指して上京して行った福士智美の代わりに入ってきた妹・智春の指導も(勢いに任せてとはいえ)でき…

イノセント・ゲリラの祝祭 海堂尊著 宝島社 2008年

東城大学医学部付属病院4階。万年講師の田口公平は、いつものように高階病院長に呼ばれ、無理難題を押しつけられようとしていた。「お願いがありまして…」そう言って取り出した依頼状の差出人はあの火喰い鳥、白鳥圭輔。厚生労働省で行われる会議への出席依…

お釈迦様もみてる~蛍のヒカル  今野緒雪著/ひびき玲音イラスト  集英社コバルト文庫  2013年

『お釈迦様もみてる』シリーズ10冊目。 卒業を間近に控えて、花寺学院高校では柏木優と別れを惜しむ生徒が、休み時間ごとに列をなしている状態。挙句の果てに、光の君私物争奪じゃんけん大会まで始まって、何だかんだで祐麒まで仕切り側に回ることに。 でも…

金色機械 恒川光太郎著 文藝春秋 2013年

テキモミカタモ、イズレハマジリアイ、ソノコラハムツミアイ、アラタナヨヲツクルデショウ 触れるだけで相手の命を奪う恐ろしい手を持って生まれてきた少女、 自分を殺そうとする父から逃げ、山賊に拾われた男、 幼き日に犯した罪を贖おうとするかのように必…