読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

金色機械 恒川光太郎著 文藝春秋 2013年

 テキモミカタモ、イズレハマジリアイ、ソノコラハムツミアイ、アラタナヨヲツクルデショウ
 触れるだけで相手の命を奪う恐ろしい手を持って生まれてきた少女、
 自分を殺そうとする父から逃げ、山賊に拾われた男、
 幼き日に犯した罪を贖おうとするかのように必死に悪を糺す同心、
 人々の哀しい運命が、謎の存在・金色様を介して交錯する。             (帯文より)


 ええとですね、これなかなか粗筋書くのが難しい話でして。
 登場人物それぞれがそれぞれの視点から自分の過去が語られまして、それが少しずつ重なり合う。時代を追って順番に書けば簡単なんですが、それすると見事にネタばれになるんだよなぁ。
 自分の両親を殺した(と思っている)相手は許せても、夫を殺した相手は許せない切なさ。こんな筈ではなかったのに自然と環境に染まって行く自分。代替わりする主人、その全てに仕え、見守り、記憶し、彷徨うロボット「金色様」。
 ただですね、これは私が悪いんですが、私金色様の造型が何故かドラム缶のような寸胴に蛇腹の手足、というスタイルで浮かんでいまして、ええと、メカ沢くん(©魁!! クロマティ高校)みたいな(…;)。それが花魁のような豪奢な衣装に黒髪の鬘、とかの描写に「…こらあかん、ヒトガタや」ってな感じで慌てて頭の中を書き替えて、でもなかなかしっくり来なくてですね;;
 せめて『コブラ』のレディ的なのを想像してればよかったなぁ;