読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

翻訳問答2 創作のヒミツ 鴻巣友季子×奥泉光 円城塔 角田光代 水村美苗 星野智幸 左右社 2016年

 あの名対局から1年!
 今度は、てごわいオールスター小説家軍団と真剣対局!

 水村美苗奥泉光角田光代星野智幸円城塔 を相手に、鴻巣友季子がプロの翻訳家のプライドをかけて、いざ勝負!
 『吾輩は猫である』『竹取物語』『雪女』『嵐が丘』『アラビアンナイト』が人気小説家による新・名翻訳で生まれ変わる!
 読み手・翻訳者・創作者の3役を演じて見えてくる言葉の奥深さ…
 物語が生まれるとき、作家のアタマの中ではこんなことが起きていたなんて!

奥泉光
I Am A Cat あいあむあキャット/キャット・イン・ザ・ライ/私、猫なんです

円城塔
The Bumboo-Cutter and the Moon-Child 竹刈り人と月の子供/バンブー・カッターと月の娘

角田光代
The Snow Woman 雪女/雪女/雪女

水村美苗
Wuthering Heights 嵐が丘/嵐が丘

星野智幸
The Arabian Nights 『アラビアンナイト』より「漁師と魔神」/亜羅毘暗那威斗/千夜一夜物語 
                                           (内容紹介より)

 前作が面白かったので借りてみた本。今回は対戦相手も様々で、心なしか、鴻巣さんものびのびと翻訳してらっしゃる感じ(苦笑;)。ジュブナイル調、脚本調、ヤンキー調、村上春樹調とかなり遊んでらっしゃいます。
 課題図書(?)も今回は逆輸入された再翻訳ものも多くて、こちらに予備知識があったり。実際、それが今回参加された小説家さんたちの手掛かりになったり、足かせになったりも。
 「お寝みなさい」を「おやすみなさい」と読ませる、というようなルビ文化が、翻訳文化から来ているということを知って驚きましたし納得しました。…日本語、適応力ハンパねぇ…!
 でも、私がそういうルビを多用する作家さんとして思いつくのは、まず第一に河惣益巳さんと石ノ森章太郎さん、という漫画家さんになるんですが(笑)。
 「無口」と表現されている海外小説の男性登場人物は多弁だ、という説にも思わず吹き出しました。確かにヒースクリフ無茶苦茶喋ってる(笑)。
 作家の皆さんが、当たり前ですが語学力に優れている、ということにも素直に凄いなと思いましたし。
 それにしても、この間の爆笑問題さんの漫才でも、アニメ『バーナード嬢曰く』でも、この作品でも揶揄られる村上春樹の文体って一体…。読んでみた方がいいのかなぁ。