読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

現代詩人探偵 紅玉いづき著 東京創元社ミステリ・フロンティア 2016年

 ネタばれになってるかも、すみません;

 とある地方都市で、「将来的に、詩を書いて生きていきたい人」が参加条件のSNSコミュニティ『現代詩人卵の会』のオフ会が開かれた。互いの誌の合評を行い、現代詩について語り合った九人の参加者は、別れ際に約束を交わした。「詩を書いて生きる志をもって、それぞれが創作に励み、十年後に詩人として再開しよう」と。
 しかし約束の日、集まったのは五人。ほぼ半数が自殺などの不審死を遂げていた。なぜ彼らは死ななければならなかったのか。細々と創作を続けながらも、詩を書いて生きていくことに疑問を抱き始めていた「僕」は、彼らの死にまつわる事情を探り始める。
 「小木屋」こと荻屋裕次郎は、死や痛みをテーマに書くことが多かった。農薬を飲んで自殺した。
 「遠野昼夜」こと遠野瑞生は、絵と共に誌を書いた。スケッチブックとタロットカードと、まだ幼い娘を残して、鉄道事故で死んだ。
 「夏炭」はメロディアスな詩を書いた。入院していた病院の非常階段から落ちて死んだ。恋人に指輪を贈ったばかりで、女の詩人は生き残り、男の詩人は死んでこそだ、という思想を持っていた。
 「明日田」こと金田友哉は、勤め先の大学からの帰り道、雪道で足を滑らせて意識を失い、そのまま凍死した。人の詩を盗む癖があったが、しかし本人は気にしておらず、人からは「天性の詩人」とも評されていた。
 彼らの死の原因は「詩人であること」「詩を書いていたこと」だったのだろうか。故人の周囲の人々に話を聞くうち、「僕」は自身の矜持と後悔とに向き合う。…               
                                 (前半、表紙折り返しの紹介文を写しました)

 あとがきに曰く、「ミステリは苦手」なのだとか。できるとしたら動機を巡る物語、「なぜ」を探すミステリだろう、ということでできた作品なのだそうで。
 面白かったです。あれ、二人目の原因は明かされないままなの?と思ってたら最後に繋がって行く展開、それがさらに主人公の境遇にまで広がる描かれ方はおお!と思いましたし。
 何もそんなに皆さん思い詰めなくても、と思ってしまう箇所もあるのは私がお気楽な性格だからでしょうね、純文学みたいな自分を追い込むような作品読まないし(苦笑;)。でも一応納得が行ってしまうのが恐ろしい所。
 ラスト近辺のテーマになる盗作、剽窃に関しては、特に共感するものがありました。アイデアだの表現だの視点だの、無尽蔵に湧いて出る人なら多少持っていかれても平気なのかもしれませんが、自分の器を自覚していればこそ、自分から出て来たものに拘りをもつ。主人公、自分の存在意義まで揺らいでるもんなぁ。何だかんだ言いながらも、棗という読者がいてよかったねぇ。
 でも、詩を書いて生きて行くことはできても、それだけで食べて行くことは大変そうだなぁ。