〈本の達人〉が贈る新名探偵シリーズ
体育会系な文芸編集者の娘&定年間際の高校国語教師の父が挑むのは、出版界に秘められた《日常の謎》!
□「応募してませんよ、わたしは」
新人賞最終選考に残った候補者からの思いがけない一言は?(夢の風車)
□「実は、扱いに困っている手紙がありましてね」
ある大物作家に宛てた女性作家の手紙には愛の告白が?(幻の追伸)
□「わたしは殺人事件の現場に行き合わせることになったわけです」
定期購読者の話を聞いているうちに思いもよらない事態に?(茶の痕跡)
新人賞最終選考に残った候補者からの思いがけない一言は?(夢の風車)
□「実は、扱いに困っている手紙がありましてね」
ある大物作家に宛てた女性作家の手紙には愛の告白が?(幻の追伸)
□「わたしは殺人事件の現場に行き合わせることになったわけです」
定期購読者の話を聞いているうちに思いもよらない事態に?(茶の痕跡)
ほか、大手出版社の文宝出版を舞台に繰り広げられる8つのミステリーの推理の結末やいかに……。〈円紫さんと私〉〈覆面探偵〉〈ベッキーさん〉シリーズほか、多くのファンを唸らせてきた名手による、新たな名探偵コンビが誕生。 (出版社HPより)
夢の風車
文宝出版の新人賞採取候補に残った作品『夢の風車』。担当になった田川美希が作者に連絡を取ると、作者は応募した覚えがない、という。実際応募したのは一昨年だった、と。一昨年の応募作が今年のものと混ざってしまったのだろうか。中野に住む高校教師の「お父さん」に「ちょっと不思議な話」として話してみると、意外な答えを真相として返してきた。
幻の追伸
古書店の取材時に、たまたま話に上がった一通の手紙。とある大物作家に宛てた女性作家のもので、奇妙なことに原稿用紙の下のマス何列かを無視した上、終わりの二行が切り取られている。不倫を思わせる内容に、店主も扱いに困っているのだとか。「お父さん」はそこに何が書かれていたか、そこを何故切り取ったのか推理してみせる。
鏡の世界
加賀山京介の、未発表の画帳が見つかった。遺族から連絡を受けて、美希はカメラマンと取材に向かう。その絵の画像を見た「お父さん」は考え込んで一言。「――裏焼きじゃないかと思ってね」
冬の走者
とある作家先生の影響で、出版社の何人か、マラソン大会に参加することになった。ところがその最中に、姪っ子のクリスマスプレゼントを買った人物がいる。記録もちゃんと残っているのに、どうやって? 「お父さん」がその謎を解いてみせる。
謎の献本
先輩から貰った宿題は、謎の献本に関するもの。その作品の作者へ、別の人間が献辞を書いて渡したものがあるらしい。一体どういう経緯があったのか、「お父さん」はそれを知っていた。
茶の痕跡
雑誌を定期購読してくれている読者に取材に行った。その昔郵便局の配達員をしていたとかで、話題は戦後すぐの郵送本「円本」のことに。当時自分が配達していた区域で、その本を巡って殺人事件まで起こってしまった、という話に、「お父さん」は別の真相を見出す。
数の魔術
後輩の「トラちゃん」が特集を組んだ≪宝くじおばさん≫が襲われた。毎回30枚づつ宝くじを買って、コレクションしている普通のおばさん。当たっていた訳ではないのに、宝くじを盗まれたという。はずれくじを狙う強盗の真意とは。「お父さん」がとある理由を挙げてみせる。… 北村さんの新シリーズ。
面白かったです。特に、『茶の痕跡』は納得したなぁ。一作目『夢の風車』も本当にすっきり解決!って感じでした。でもまぁ、父親の性格にもよるかもなぁ、とはこっそり思いましたけど。うちの父親は負けず嫌いの自分が一番人間なので、娘が手を入れたものがより優れた作品になったとしても、絶対喜ばないな、という確信があるもので(苦笑;)。推理というより、作者の知識量に圧倒、って作品も多かったですね。
前振りにあたるこまごましたエピソードも、あるある感満載でした。机の引出が別になってて移動がラク、ってのは先日私も職場で体験して、「これ考えた人凄いなぁ」と思ったばかりでしたし。…でもその分、整理整頓の機会を逃すんですけどね;;
「お父さん」を作者の北村さん本人と重ねてしまうのは仕方のない所ですよね。自分と娘さんとの関係はこんなにいいんだぞ、と胸張って主張しているよう。…っていうのはひねくれた見方かしら。娘さんの意見もちょっと聞いてみたい所ではあります。
面白かったです。特に、『茶の痕跡』は納得したなぁ。一作目『夢の風車』も本当にすっきり解決!って感じでした。でもまぁ、父親の性格にもよるかもなぁ、とはこっそり思いましたけど。うちの父親は負けず嫌いの自分が一番人間なので、娘が手を入れたものがより優れた作品になったとしても、絶対喜ばないな、という確信があるもので(苦笑;)。推理というより、作者の知識量に圧倒、って作品も多かったですね。
前振りにあたるこまごましたエピソードも、あるある感満載でした。机の引出が別になってて移動がラク、ってのは先日私も職場で体験して、「これ考えた人凄いなぁ」と思ったばかりでしたし。…でもその分、整理整頓の機会を逃すんですけどね;;
「お父さん」を作者の北村さん本人と重ねてしまうのは仕方のない所ですよね。自分と娘さんとの関係はこんなにいいんだぞ、と胸張って主張しているよう。…っていうのはひねくれた見方かしら。娘さんの意見もちょっと聞いてみたい所ではあります。