短編集。
遠い唇
続・二銭銅貨
ゴースト
最終話の探偵 巫弓彦については、もうすっかり忘れておりました; 『冬のオペラ』、読んだはずなんだけどなぁ;;
大学時代にもらった追い出しコンパの案内葉書が出て来た。差出人は長内先輩、ほのかな憧れの女性、そして今は亡き人。そこに書かれていたアルファベットの暗号文を、今更読み解いてしまった。あの時解読していたら、どうなっていたのだろう。
しりとり
今は亡き夫が病床にいた頃、「しりとりや」から始まる俳句を詠んだ。中七を空欄にして、和菓子 黄身しぐれを置いたという。馴染みの女性編集者からその話を聞いて、「わたし」は首を傾げる。ご主人はどういうつもりでその句を詠んだのか。
パトラッシュ
「パトラッシュ」と呼んでいる、大型犬のように安心感のある彼との暮らし。そんな彼の、いつもと違う行動と浴室に漂う甘い香り。
解釈続・二銭銅貨
ゴースト
編集者の朝美は、同じ苗字を持つ人物からの電話を、打ち合わせと勘違いする。
ビスケット
ミステリ作家でもある日本通アメリカ人大学教授トリリン氏。トークショーの日、何者かに殺害された。手の指が不自然な形をを示しており、まるでアルファベットのMの字のよう。果たしてこれはダイイング・メッセージなのか。発見者の姫宮から情報を得て、名探偵巫弓彦はそれに別の意味を見出す。…
するすると読み易い短編集。事件、というほどでは決してない、日常の一コマを描いたような作品もあって、「よくこんな題材で短編にまでするよなぁ」とこっそり思ってしまうほど。それを成立させてしまうのが、北村さんの手腕なんだろうなぁ。最終話の探偵 巫弓彦については、もうすっかり忘れておりました; 『冬のオペラ』、読んだはずなんだけどなぁ;;