読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

夢の宮~竜のみた夢~ 今野緒雪著 集英社コバルト文庫 1994年

 今野緒雪デビュー作。
 ネタばれあります、すみません;

 夢の宮~竜のみた夢~
鸞(ロアン)国の『幸福の姫君』瑛蘭は、希劉・康崚の二人の幼馴染として共に過ごしてきた。彼女はいずれどちらかと結婚して正妃になる身、だが隠されたお告げは広く告げられたものとは微妙に違っていた。英蘭が愛した王子こそ、次の国王になるのだという。どちらも選べない彼女の選択は、結果二人共を失うことになる。

 夢の宮~眠りの妃~
夢の中でしか会えない娘 睡蓮に、王子 芙蓉は恋をした。彼女しか妻に迎える気はないとの芙蓉の言葉に、国中を探す侍従たち。だが父王の死により、猶予はなくなる。元々父王には二人の妃がいて、二人それぞれ矛盾するお告げを告げられていた。…

 
 先日読んだ『コバルト小説で辿る少女小説変遷史』で紹介されていて、気になっていた作品。…そうそう、『マリみて』読んでた時に、話の構成の巧さに、他の作品も読んでみたいな、と思ってたんだった!
 なるほど、おっとりゆったりした作風はデビューからなのか。ほのぼのとした品の良さ、結構悲劇的な内容を描いているのに、霞にかかったようにするすると読めてしまう。
 二作目の話のオチは途中で察しがついてしまうものではあったのですが、それでも決して暖かな読後感を損なうものではなく。
 でも確かに、この作品だけでは、後々あんな大ヒットシリーズを産み出すようになるとは思えなかったかもなぁ。