読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

偽造手記 国分寺公彦著 新潮社 1999年

 第10回日本ファンタジーノベル大賞 最終候補作品。
 ネタばれになってるかも、すみません;

 ある殺人事件の容疑者が書き上げた「手記」。それは被害者にしか書き得ないものだった!?
 …日記から発覚した妻の浮気。「ぼく」は盗聴器を仕掛け、妻と相手の男を尾行し、彼らの濃密な情事に忍び寄る。彼らの情交を密かにコントロールできることに気付き、かつてない至福に酔いしれる「ぼく」。だが、ある日、鏡に映った「ぼく」の姿が…!
 「自分」という曖昧な意識を容赦なく破壊する、執念とエロスが交錯する禁断のサイコ・ホラー。
                                          (紹介文より)

 今回の日本ファンタジーノベル大賞は?、ってんで検索かけてたら行き当たった作品。
 随分前の作品ですね。応募作は出版されてるなら読もうと思ってるので、これは知らなかったな、と借りてみました。
 …うん、前半どうなることかと思った(笑)。いや、R-18本読んでる感もなきにしもあらずで(苦笑;)。「ファンタジー」要素無いし。
 盛り上がりは後半からでしたね、「僕」の意識は何なのか、自分の思い込みなの本当に相手と入れ替わったのか。やはり入れ替わったのだ、と確信した辺りの根拠は妙に説得力ありました。で、探偵の犬走は何だったんだろうなぁ。実在なのか幻想なのか。
 個人の中に自分が、他人が、全てが存在する。関わりあって、影響しあって。…でもポルノにする必要あったのかな(苦笑;)。