読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

イノセント・ゲリラの祝祭 海堂尊著 宝島社 2008年

 東城大学医学部付属病院4階。万年講師の田口公平は、いつものように高階病院長に呼ばれ、無理難題を押しつけられようとしていた。「お願いがありまして…」そう言って取り出した依頼状の差出人はあの火喰い鳥、白鳥圭輔。厚生労働省で行われる会議への出席依頼だった。
 医療事故調査委員会に出席するため、日本の権力の中心地、霞ヶ関に降り立った田口公平。だがそこで彼が目にしたのは、官僚第一主義の厚労省、しきりに体面ばかり気にする法律家、そしてエーアイ導入を頑なに拒む法医学者の思惑が絡んだ会議だった。しかし、医療界に革命を起こそうと暗躍する男の登場で、議論は一気に加熱する。
 田口・白鳥シリーズの、新たなる展開に注目!大人気メディカル・エンターテインメント第4弾!
                                       (内容紹介より)


 友人曰く、「ドラマの『アリアドネの弾丸』が面白かった」そうで、ならそこまではシリーズ読んでみようか、と手に取った一冊。
 …う~ん。
 麻酔医は人手不足、救急医療は崩壊、産婦人科はぼろぼろ、終末医療も患者の意には決して沿っておらず、法医学や病理医学は不興和音を奏でてる。日本の医療は大丈夫なのかしら;
 作品の途中で出てきた産婦人科医の記事が、実際の出来事に基づいていることは明白。確かにこのままでは駄目なんですよね。保護されることに慣れ過ぎて、あぐらをかいてしまった一部にも問題はあるんでしょうけど。
 最後の最後で逆転する爽快感は相変わらずです。彦根先生、かっこいい。…でもお友達にはなりたくない(苦笑;) 桧山シオンは今後出て来るんでしょうか、何だか本当に名前だけだったんですが。
 ある意味ステレオタイプな官僚の描かれ方については、多少法改正に振り回される職場で働いている身としては、納得できる面が多々あり。…そうなんだよな、結構無責任というか、いい加減というか。解釈次第で問い合わせた人によっても返答が違ったりするんだよなぁ。
 でも、何より気になったのは、妙に不自然な関西弁だったりしたのでした。…あれ、誰かに監修してもらったのかなぁ?