読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

八月の六日間 北村薫著 角川書店 2014年

 アラフォー独身女性の山歩きの記録。

 40歳目前、文芸誌の副編集長をしている“わたし”。ひたむきに仕事をしてきたが、生来の負けず嫌いと不器用さゆえか、心を擦り減らすことも多い。一緒に住んでいた男とは、3年前に別れた。そんな人生の不調が重なったときに、わたしの心を開いてくれるもの――山歩きと出逢った。
 四季折々の山の美しさ、怖ろしさ。様々な人との一期一会。いくつもの偶然の巡り合いを経て、心は次第にほどけていく。だが少しずつ、けれど確実に自分を取り巻く環境が変化していくなかで、わたしは思いもよらない報せを耳にして…。                            (帯文より)


 いつ頃からか北村さんの書く女性に妙な違和感を抱くようになり、以前ほど食指が動かなくなりまして。で、今回も新刊予約ラッシュに乗り損ね、こんなに遅くなりました。でも、読むんですけどね(苦笑;)。
 山歩き、というのは私はあまり魅力を感じないものの一つで。屋久島に縄文杉を見に行ったり、ということはしたことはあるんですが、あれは登山というよりハイキングだったよなぁ。命の危険を感じるほどの登山はあまりしたくないなぁ。でもこれ、実際に北村さん登ったんでしょうね。
 一話目で「あのコート頂戴」と言っていた親友が二話目で亡くなっていたり、副編集長だった主人公が三話目で編集長になってたり、という見えない、直接描かれないけれども物事は進んで行ってる、という描かれ方にはおっ、と胸をつかれる思いでした。
 カメラマンさんの、「女性編集者って三年経つと強くなっちゃう、綺麗にはなるんだけど」にはちょっと笑ってしまいましたね。何処の世界でもそうじゃないかな、プロフェッショナルになるとある程度は強くならないとやってけないもの。で、女性の目から見たそういう男性は魅力的に多分映るだろうに、男性の目からは魅力的には映らなくなる訳だ。…そう、こういうとこがね、北村さん(苦笑;)。
 生来の怠け者なので、この本を読んで山歩きしたい、と思うようにはならなかったです。でも実際そこそこ危険なコースも含まれるみたいなので、それはいいかな。私はお気軽な観光地でいいや。