読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

櫻子さんの足下には死体が埋まっている 八月のまぼろし 太田紫織著 KADOKAWA 2016年

 シリーズ10冊目。

 第壱骨 片羽の烏
 正太郎の家の前に、連続して烏の死体が遺棄された。どの死体も片羽が折れ、死因は溺死だった。正太郎をつけ狙う白い軽自動車も現れ、乗っていた女性は「9月14日を忘れたか!」との捨て台詞を残して去る。その日は、正太郎の父の命日だった。

 第弐骨 雨降る夜の怪異
 ひまわりの里のダチョウ牧場から、死んだダチョウを貰えることになった。櫻子さんは正太郎を誘い、花を目当てに磯崎先生と何故か内海巡査も一緒に行くことに。車の中で正太郎は、学校の先生が体験した怪談、雪解けの季節の夜、自動車で目に見えない何かを轢いた、という話をする。内海まで内容の矛盾点を指摘、櫻子と磯崎は「何か」を推測してみせる。

 第参骨 八月四日のリジー・ボーデン
 10年前、父親と義母をツルハシとナイフで惨殺した後 自殺した遠藤範子は「平成のリジー・ボーデン」と呼ばれていた。範子は薔子さんの親友で、薔子さんは今でも彼女の犯行だとは信じられないという。薔子さんの依頼を受けて、櫻子は未だ残る現場を検証し、範子の身辺を聞き込む。範子は幼い頃に母親を亡くし、叔母に育てられていた。父親が再婚したことで叔母とは切り離され、義母とはうまく行っていなかった。叔母の遺体がばらばらにされていたことも含め、櫻子は一つの仮説を立てる。…

 相変わらず、美味しそうなもの満載の10冊目。
 櫻子さんの死生観みたいなものが正太郎の中で折り合わず、もやもやしたものが残る正太郎。とうとう櫻子さんに思いをぶつけた後、櫻子さんとばあやさんはいなくなってしまいました。櫻子さんはともかく、ばあやさんは何か連絡くれないかな、それとも櫻子さんが嫌がってるのか。ひとまず舞台は九条邸から移りそうです。
 次巻に続きます。