読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

櫻子さんの足下には死体が埋まっている キムンカムイの花嫁 太田紫織著 KADOKAWA 2018年

 シリーズ14冊目。

 第壱骨 キムンカムイの花嫁
 櫻子さんの屋敷で盗聴器が発見された。取り除いてはかえって怪しまれる、とそのままにすると言う。ばあやさんにも知らせない、との方針を受けて、せめて自然に部屋から離れようと温泉旅行に連れ出すことになった。ぬかびら源泉卿へ向かう櫻子さん、ばあやさん、正太郎と動物園の沢さん。目的地到着後のトレッキングツアーで、湖のほとりで女性の遺体を発見する。
 その夜、宿にあるヒグマの骨を欲しがる櫻子さん。宿の女将は、そのヒグマがかつて、この宿に嫁いできた女性を食べたエピソードを話す。女性の想い人の猟師が、ヒグマの胃から女性の左腕を見つけたのだとか。

 第弐骨 夜啼く神(クンネレカムイ)は悪夢に唄う
 ぬかびら見つかった遺体は自殺で処理された。だが解剖技官の青葉は疑問を抱いている様子、致死量ではないが薬物とアルコールが検出されたことが引っ掛かっている。正太郎は櫻子を誘って、青葉と共に死体の女性の知人に聞き込みを始めた。
 普段から自殺を仄めかすような言動を取りがちだった彼女、だが誰も本気にはしていなかった。やがて彼女が、中学生の頃同じくいじめを受けていた女性を久々に訪ねていたらしいことが分かる。お揃いのピンキーリングを購入して、だがその人はもうこの世にはいない人だった。

 Special Short Story 眠れる球根
 進路を決めかねて磯崎に相談していた鴻池百合子。いきなりその教室に櫻子が押しかけて来る。正太郎を心配する櫻子に、磯崎は、櫻子自身の行く道を提案する。…


 北海道の野生動物、ヒグマも出て来た今回、思い起こすのは『ゴールデンカムイ』(笑)。ヒグマの恐さはあちこちで耳にしますが、「胃袋から…」とか書かれると うわぁ…と身を引く思いでしたね。それをさらりと言ってしまうのが櫻子さんなんですが(苦笑;)。
 相変わらず美味しそうな料理は満載、今回出て来た百合根の入ったじゃがいもコロッケ、ってのは是非食べてみたいなぁ。

 「最終章開始」だったんですね、裏表紙の紹介文見て気が付きました(←おい)。正太郎が過去を振り返る形で書かれてる文章だから、ゴールへ向かっての作品だとは思ってたけど、高校三年間で終わるということなんでしょうか。
 磯崎先生の人を見る目の確かさが判明した今回、櫻子さんも進む道を決めたのかな。
 次巻に続きます。