シリーズ5作目。長編。
蝶形骨が失われた頭蓋骨について、櫻子はかつて、同じような遺体が見つかった事件ファイルを思い出す。それは法医学者の叔父 設楽が記録したもの。十年前、蓴菜沼で見つかった遺体は、湖に首が落ちて、頭蓋骨が破損していた。自殺と判断されてはいたが、当時担当していた刑事 山路が似たような遺体を前にも見た、と設楽を引っ張り出して調査に向かう。
ファイルに記載された事柄をふまえながら、10年の時を超えて、櫻子と正太郎も事件関係者に再聞き取りを開始する。被害者の臼渕日和の当時の恋人 田口、浮気相手の伊藤、元婚約者 早見坂。日和の高校時代の親友 仁美は自殺しており、その父親は、仁美は日和に虐められていたという。日和の勤め先の看護師長は、日和がセクハラを受けていたこと、その相手に握られていた弱みについて語り、いよいよ自殺の動機が判明したかに思われた。
最後に櫻子たちが会ったのは日和の妹 沙月、かつて叔父や山路と共に事件解明に臨んだ人物。櫻子は沙月の欺瞞を指摘する。…
蝶形骨コレクターの存在が明らかになる一篇。10年以上前から、この殺人教唆というか幇助というかは行われていたということですね。しかもかなり関係者の死亡率高いぞ;;
美味しそうなものも相変わらず満載だったのですが、まぁ今回は事件が結構陰惨で、ちょっとそれどころではなかったような。
『ソウタロウ』君については、次くらいで明らかになるのかな。
次巻に続きます。