読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

バイバイ、ブラックバード〈新装版〉 伊坂幸太郎著 双葉文庫 2021年

 星野一彦は借金のカタに、〈あのバス〉に乗せられて、おそらく二度と帰れないある場所に連れて行かれることに。せめてもの、と5人の恋人に別れを告げることを願い、お目付け役の繭美(身長190センチ体重200キロの金髪ハーフ)と共に5人の女性を順々に訪れる。
 食べ放題のいちご狩りで知り合った廣瀬あかりと別れるためには、何故かジャンボラーメンを食べることになった。犯人を追う刑事に自分の車を取られてしまった時に行き会った霜月りさ子は銀行に勤めるシングルマザーで、コンビニで当て逃げもされたし、と己の不運を嘆いている。如月ユミとは、深夜 ロープを担いで歩いていた彼女に声をかけたのが出会った切っ掛け、星野との別れよりロープでの家宅侵入に興味津々な様子。耳鼻科で知り合った数字に強い女性 神田那美子は胸のしこりの検査結果に怯えている。女優の有須睦子は、唯一星野との別れを拒んだ。
 星野はどの女性にも真摯で一生懸命、バスに乗せられる寸前に繭美が拉致られそうになった時も懸命に彼女を救おうとするほど。その姿に、繭美はバスに乗る星野に救済案を出し、乗った後でも、自分の辞書にないことをやってみようかな、とほだされてしまうほど。…

 巻末に伊坂幸太郎ロングインタビュー収録。

 つい予約を入れてしまったんですが、これ私読んでたなぁ。とか言いながら内容をしっかり覚えてなくてですね(←おい;)、あれ、どういう結末だったっけ、バッドエンドではなかった気がするんだけど、とほぼ新鮮に読みました。…困ったもんだ(苦笑;)。
 星野君の性格の良さが染み入りました。いい人なんだよなぁ、五股掛けてるけど。母親の為にクリスマスプレゼントを用意するくだりとか、前読んだ筈なんだけど、すっかり忘れてて、で、じんわり感動してしまいましたよ。
 巻末に伊坂さんのインタビュー、この作品が書かれた経緯「ゆうびん小説」なるものの紹介や、各エピソードの裏話等載っていて面白かったです。太宰治の『グッド・バイ』が元ネタになってるとか。…多分読んでないな~、これからも読まないだろうな~、みんな太宰好きだな~。…すみません;