読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

櫻子さんの足下には死体が埋まっている 謡う指先 太田紫織著 KADOKAWA 2015年

 シリーズ7冊目。

 第壱骨 Bloody Valentine's Day
 正太郎の上靴の靴紐が切られた。昼の弁当が汚されていたり、購買部で買ったパンに針が刺さっていたり、被害はエスカレートしていくが、Phantomの影がちらついて、正太郎は誰にも相談することができない。パンにカミソリが仕込まれて怪我をして、漸く窮状を磯崎先生と櫻子さんに告白できた。親友も疑う疑心暗鬼な正太郎に、櫻子さんは真犯人を見抜いてみせる。

 第弐骨 アサヒ・ブリッジ・イレギュラーズ
 2月初め 旭川冬まつりで、鴻上百合子は一人の女性が橋から白い封筒を捨てているのに気づく。風に流された封筒は百合子の元へ、その中にはダイヤの指輪と遺書らしき手紙が入っていた。女性を探そうとする百合子に、櫻子は別の見解を示す。その女性は、おそらく新しい人生に旅立とうとしている、と。

 第参骨 凍える嘘
 正太郎は薔子さんに、旭岳にある親戚の別荘を片付ける手伝いをしてほしい、と頼まれた。家主は先日この家で心臓発作を起こして死んでしまったのだとか。家主の息子と共に雪に降り込められて過ごしているうち、正太郎たちは暖炉の中から熊の掌と人間の指の骨の燃え残りを見つけた。熊の掌は部屋にある剥製のもの、では人間の指は。正太郎たちは薔子から、家主の薬指が切り取られた状態で発見されていたとの情報を得る。…

 他、怪我した大型犬アラスカン・マラミュートを助け、「ウルフ」と名付けたが離れて行ってしまったプロローグ と、バレンタインデーに正太郎が櫻子さんに仙骨と尾骨のレプリカを贈るショートストーリー『ハートの贈り物』収録。

 今回の陰の主役は磯崎先生かも(笑)。植物と自分の手入れに魂を込める先生、なかなかのナルシストっぷりです。あそこまで行くと割り切って付き合い易いでしょうね、本人も自覚あるし(笑)。
 花房さんのターンは、今回はなしということで。でも正太郎の心の中には不安の種が埋め込まれたままですし、櫻子さんの緊張状態も続いたまま。でも惣太郎くんとの混同については、一応ケリが着いた、ってことかな。
 次巻に続きます。