読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

櫻子さんの足下には死体が埋まっている はじまりの音 太田紫織著 KADOKAWA 2015年

 シリーズ8作目。

 第壱骨 ウラ ト オモテ
 四月。正太郎は今居、鴻上と同じクラスになった。三人でよくつるんでいたら、転校生の阿世知蘭香が鴻上に声をかけて来る。「親友になってほしい」「三という数字は残酷ね、鴻上さん?」。ゴスロリでオカルト趣味の阿世知は、三人の関係をかき回していく。

 第弐骨 雛を呼ぶ声
 櫻子さんの家の庭に、ヒヨドリが巣を作った。雛が孵り、微笑ましく囀っていたのも束の間、その雛が殺されてしまった。町内会長の東海林夫人は、犯人は最近引っ越してきた若夫婦だと言うが…。

 第参骨 脱皮
 櫻子さんの叔父さんのお見舞いに行った帰り、櫻子と正太郎は叔父さんの部下の青葉英世解剖技官の案内で解剖室を見学、さらに翌週には蛇のブリーダーを訪ねることに。美瑛から白金温泉、観光名所となったビルケの森の青い池へ寄った三人は、そこで首のない女性の遺体を発見する。献花しに再訪した数日後には、男性の首吊り死体を。その男の傍には 前に見つかった女性を殺し、その後悔から後を追ったとの遺書も見つかった。だが櫻子さんは、遺体の状況に疑問を抱く。

 Special Short Story 北方の三賢人(スリーキングス)
  正太郎にはお祖父ちゃんが三人いる。元シェフのダンディな祖父は母方、兄の死んだ母方の祖父は柔道家、父方の祖父は元猟師。四人での山菜摘みから帰りに寄った鴻上家で、正太郎は櫻子さんが行方不明であることを知る。どうやら山に入ったらしい櫻子さんを探しに、お祖父ちゃんたちと正太郎は奔走する。…

 花房のことは、ひとまず出てこなかった第8巻。
 そうか、作中ではまだ1年も経ってなかったんですね、正太郎たちも二年生に進学です。密度か高い一年だなぁ。
 鴻上さんのクラス内での立ち位置とか、妙にリアルで驚きました。そういうスタンスは描かれない作品と思ってたので。クラスメイトにお弁当作ってあげるとか、実際彼氏彼女の関係じゃないと何言われるか(苦笑;)、だから少年漫画の中の一種ファンタジーじみた設定なのかと。何と言うか、『タッチ』でみなみちゃんの女友達がいるかどうかすら気にならない、的な。 
 櫻子さんのお母さんの死因、その様子が明らかになりました。この作品、そもそもが正太郎君が過去を振り返る形で描かれてるんですよね。ラストは決まってる筈だよなぁ。
 次巻に続きます。