読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

櫻子さんの足下には死体が埋まっている ジュリエットの告白 太田紫織著 KADOKAWA 2017年

 シリーズ12冊目。

 第壱骨 ケルヌンノスの妙薬
 9月、東京の大学に通う兄が帰省、正太郎に「一緒に旅行しよう」との声が掛かった。何だかんだ、櫻子さんも一緒に足寄、網走の博物館を巡ることに。途中に寄った親戚の家で、猟った鹿の頭部が何故か無くなった、という事件の真相を見抜いて見せた櫻子。兄は、そんな櫻子と反りがあわなさそうだ。

 第弐骨 ジュリエットの告白
 網走の博物館で展示されていた300年前の男女の骨格標本。レプリカである筈なのに、櫻子さんはその頭部が、本物だと気づく。今は辞めてしまった元事務員の女性の仕業ではないか、と話す職員。彼女は自殺したとの噂があり、確かに今、両親と共に行方不明になっているらしい。正太郎たちは、リタイアした元館長の家を訪ねる。

 第参骨 わたしのおうちはどこですか・前
 内海巡査や櫻子さんと共に、以前櫻子さんが助けた幼女 柚胡香ちゃんの誕生祝いに呼ばれた正太郎。今は弟と共に親戚の家に引き取られているらしい。だがその日、柚胡香ちゃんは行方不明になってしまった。目撃証言で上がって来た容疑者の風体は10代の女の子、折悪しく鴻上百合子の姿も見えないという。そして、部屋には意味深なメッセージと蝶の翅。柚胡香が引き取られた先の家庭にも事情があるようだ。磯崎先生まで呼び出して、正太郎たちは手掛かりを探す。…

 お兄さん、初登場。櫻子さんにかなり不信感を抱いている様子、そりゃそうだろうなぁ、あれだけ事件に巻き込まれてりゃ(苦笑;)。「身の丈にあってない」と弟に指摘する姿に、いいお兄ちゃんだなぁ、と思いましたよ。だんだん贅沢に慣れてってる感じ、自分ではなかなか気付かないだろうからなぁ。というか普通の高校生の皆さんでも、この作品に出てる人、お金持ちだよなぁとか思ってしまう。あんなに頻繁に喫茶店に入ったり買い食いしたりするお小遣い、私は高校の頃貰ってなかったから。櫻子さんの「飼い猫が死んだ時、原因を自分で調べてみたかった」の言は、『動物のお医者さん』でペットの死因を「解剖して調べてあげる」って言ったばっかりに子供に口をきいて貰えなくなった助教授の話を思い出しました(苦笑;)。
 さて、鴻池百合子にもphantomの手が伸びている様子です。このまま「続く」って珍しい展開ですね。
 次巻に続きます。