読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

読書 作家別やらわ行

春期限定いちごタルト事件 米澤穂信著 創元推理文庫 2004年

連作短編集。 小鳩君と小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある高校一年生。きょうも二人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す。それなのに、二人の前には頻繁に謎が現れる。名探偵面などして目立ちたくないのに、なぜか謎を解く…

蒼色の大地 薬丸岳著 中央公論社 2019年

螺旋プロジェクト明治篇。 青い目を持つ灯は、幼い頃から村の人々に村八分にされ、憎悪を向けられて生きて来た。彼を育ててくれた村長の爺が死んだことを切っ掛けに 灯は村を出、流れ流れて瀬戸内海の鬼仙島に辿り着く。 新太郎と鈴の兄妹は、村の中で唯一 …

天才になりたい 山里亮太著 朝日新聞社 2006年

僕はひたすらネタを作りまくった。ただ何がおもしろいかをあまりわかっていなかった――。芸人になりたい。でも「天才」ではないことは、自分でよくわかっている。南海キャンディーズ山里亮太は、悩みながら、なんとかして自信をつけようとする。いわく、「張…

永遠の夏をあとに 雪乃紗衣著 東京創元社 2020年

田舎町に住む小学六年生の拓人は、幼い頃に神隠しに遭い、行方不明だった2ヶ月間の記憶を失っている。そんな拓人の前に夏休み初日、バイオリンをもった弓月小夜子と名乗る、年上の見知らぬ少女が現れた。昔、時々拓人の家を訪れ、拓人の母とともに三人で暮ら…

クドリャフカの順番 Welcome to KANYA FESTA! 米澤穂信著 角川文庫 2008年

初出は2005年。 待望の文化祭が始まった。だが折木奉太郎が所属する古典部で大問題が発生。手違いで文集「氷菓」を作りすぎたのだ。一冊でも多く売るために、部員は奔走する。 だが伊原摩耶花は漫研の方にも行かねばならず、しかもそこの先輩と揉めていて委…

本と鍵の季節 The Book and The Key 米澤穂信著 集英社 2018年

連作短編集。 ネタばれになってるかも、すみません; 913 堀川次郎は高校二年の図書委員。利用者のほとんどいない放課後の図書室で、同じく図書委員の松倉詩門(しもん)と当番を務めている。背が高く顔もいい松倉は目立つ存在で、快活でよく笑う一方、ほどよ…

愚者のエンドロール Why did'nt she ask EBA? 米澤穂信著 角川文庫 2002年

古典部シリーズ2作目。 ネタばれになってるかも、すみません; 「折木さん、わたしとても気になります」 文化祭に出展する二年F組製作の自主映画を観て千反田えるが呟いた。その映画のラストでは、廃屋の鍵のかかった密室で少年が腕を切り落とされ死んでいた…

氷菓 米澤穂信著 角川スニーカー文庫 2001年

第五回角川学園小説大賞奨励賞受賞。 米澤穂信デビュー作。 何事にも積極的に関わらないことをモットーとする“省エネ”少年・折木奉太郎は、神山高校入学と同時に、姉の命令で古典部に入部させられる。 そこで出会ったのは好奇心少女・千反田える。彼女の「わ…

エンド オブ スカイ 雪乃紗衣著 講談社 2019年

ネタばれになってるかも、すみません; 23世紀、人々はごく一般的になったゲノム編集(デザイン)技術によって老いや病から緩やかに遠ざかりつつあった。ただひとつ、“霧の病(ダーク・フォグ)”と呼ばれる原因不明の突然死をのぞいて。世界最高峰の頭脳が集…

ルビンの壺が割れた 宿野かほる著 新潮社 2017年

覆面作家デビュー作。 ネタばれになってるかな、すみません; この小説は、あなたの想像を超える。 結末は、絶対に誰にも言わないでください。 「突然のメッセージで驚かれたことと思います。失礼をお許しください」――送信した相手は、かつて恋人だった女性…

一発屋芸人列伝 山田ルイ53世 新潮社 2018年

輝いた時代は終わる。それでも、人生は続く。 同じ芸人でなければここまで肉薄できなかった、話題沸騰の連載がついに書籍化。 我々一発屋は、ただ余生をやり過ごしているだけの“生きた化石"ではない! レイザーラモンHG── 一発屋を変えた男 コウメ太夫──“出来…

ナナメの夕暮れ 若林正恭著 文藝春秋 2018年

オードリー若林、待望の新エッセイ集! 『完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込』から3年。 雑誌「ダ・ヴィンチ」での連載に、大幅に書き下ろしエッセイを加えた、「自分探し」完結編! ゴルフに興じるおっさんなどクソだと決めつけていた。 恥ずかしくて…

六花の勇者 6 山形石雄著/宮城イラスト 集英社スーパーダッシュ文庫 2015年

シリーズ最終巻、なのかな。 ネタばれあります、すみません; <運命>の神殿で分裂した六花の勇者たち。ハンス、チャモと別れたアドレットたちは、テグネウの真の居場所を探るための罠を仕掛ける。凶魔を集めての大量焼殺、しかしアドレットはフレミーの身…

六花の勇者 5 山形石雄著/宮城イラスト 集英社スーパーダッシュ文庫 2014年

シリーズ5冊目。 愛から憎しみへ。白から黒へ。 「黒の徒花」の情報を手にしたアドレットだが、その内容に思い悩み、その取り扱いに逡巡する。 六花の勇者たちはテグネウの追っ手を退けつつ〈運命〉の神殿にたどり着くが、そこで予想だにしない人物に出会う…

六花の勇者 4 山形石雄著/宮城イラスト 集英社スーパーダッシュ文庫 2013年

シリーズ4作目。 ネタばれあります、すみません; 「七人目」の脅威がいまだ残る六花の勇者たちは、ドズーの話から、テグネウの策略の一端を知る。 「黒の徒花(あだばな)」とよばれる聖具が、「七人目」に関する重大な手掛かりであるというのだ。 アドレッ…

満願 米澤穂信著 新潮社 2014年

短編集。 山本周五郎賞受賞作。 夜警 交番勤務の川藤巡査が殉職した。妻に暴力を振るう夫を制そうとして、反対に刺されてしまった。夫自身も川藤に射殺された今、上司の柳岡は回想する。あいつは、元々警察官に向かない男だった。―― 死人宿 二年ぶりに会った…

レアリア Ⅲ 運命の石 前編・後編 雪乃紗衣著 新潮文庫Nex 2018年

シリーズ3作目。 ネタばれあります、すみません; 殿下。お帰りを、お待ちしています。 白の妃ネネの罠によって、行方不明となる皇子アリル。突然の悲報に傷つき、戸惑いながらも、彼を探すミレディア。皇帝候補のお披露目が迫り、異様な魔力に包まれた帝都…

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬 若林正恭著 KADOKAWA 2017年

ネタばれになってる気がします、すみません; 読者の共感を呼んだ前作「社会人大学人見知り学部 卒業見込」を出発点に、新たな思考へと旅立ったオードリー若林の新境地! 累計20万部に迫る前作『社会人大学人見知り学部 卒業見込』。 そこで吐き出された社…

落語魅捨理由(ミステリ)全集 坊主の愉しみ 山口雅也著 講談社 2017年

落語を元にしたパロディミステリ集。 坊主の愉しみ 『猫の皿』から一捻り、賭け事好きな坊主は店主の口車に乗って、ライター連続10回点火に挑戦。『時蕎麦』もちらっと混ざりつつ、さて、坊主は店主に勝てるのか。 品川心中幽霊 『品川心中』に続いて、女郎…

ご本、出しときますね? 文筆系トークバラエティ BSジャパン/若林正恭:編 ポプラ社 2017年

小説家って面白い! 無類の本好き芸人・オードリー若林正恭と、20人の作家たちが“自分のルール”を語りつくす。 大人気番組、ついに書籍化! 西加奈子/朝井リョウ/長嶋有/加藤千恵/村田沙耶香/平野啓一郎/山崎ナオコーラ/佐藤友哉/島本理生/藤沢周/…

完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込 若林正恭著 角川文庫 2015年

若手芸人の下積み期間と呼ばれる長い長いモラトリアムを過ごしたぼくは、随分世間離れした人間になっていた――。 スタバで「グランデ」と頼めない自意識、飲み屋で先輩に「さっきから手酌なんだけど!!」と怒られても納得できない社会との違和。 遠回りをしな…

六花の勇者 3 山形石雄著/宮城イラスト 集英社スーパーダッシュ文庫 2012年

シリーズ3作目。 ネタばれになってるかも、すみません; ゴルドフが突如、「姫を助けに行く」とだけ告げて姿を消してしまった。直後、ナッシェタニアが現れ、チャモの使い魔の中に、引いてはチャモの身体に二年も前から仕込んでおいた<刃の宝石>を発動させ…

六花の勇者 2 山形石雄著/宮城イラスト 集英社スーパーダッシュ文庫 2012年

シリーズ2冊目。 ネタばれしてる気がします、すみません; 「七人目」だったナッシェタニアは去ったが、ロロニアという少女が現れ、またもや七人になってしまった六花の勇者たち。ロロニア・マンチェッタは<鮮血>の聖者、治癒の力を司り、モーラとは教師と…

石ノ森章太郎論 山田夏樹著 青弓社 2016年

平成『仮面ライダー』シリーズが人気を博し、11月に公開予定の映画『サイボーグ009』も話題――作品がいまも愛され続けるマンガ家・石ノ森章太郎。 「二級天使」「龍神沼」「幽霊少女」「サイボーグ009」「マンガ家入門」はもちろん、後期の「仮面ライダー」「…

村上海賊の娘 下巻 和田竜著 新潮社 2013年

織田方の猛攻を雑賀衆の火縄が止め、門徒の勢いを京より急襲した信長が粉砕する。毛利・村上の水軍もついに難波海へ。村上海賊は毛利も知らぬ禁じ手と秘術を携えていた…。 信長vs.本願寺、瀬戸内と難波の海賊ども…。 ケタちがいの陸海の戦い! 木津川合戦に…

村上海賊の娘 上巻 和田竜著 新潮社 2013年

第35回 吉川英治文学新人賞、第11回 本屋大賞受賞作。 和睦が崩れ、信長に攻められる大坂本願寺。毛利は海路からの支援を乞われるが、成否は「海賊王」と呼ばれた村上武吉の帰趨にかかっていた。折しも、娘の景は上乗りで難波へむかう。家の存続を占って寝返…

エムブリヲ奇譚 山白朝子著 メディア・ファクトリー 2012年

社寺参詣や湯治のため庶民は諸国を旅するようになった。旅人たちは各地の案内をする道中記を手に名所旧跡を訪ね歩く。 『道中旅鏡』の作者・和泉蝋庵はどんな本でも紹介されていない土地を求め、風光明媚な温泉や古刹の噂を聞いては旅をしていた。しかし実際…

私のサイクロプス 山白朝子著 KADOKAWA 2016年

連作ホラー短編集。 人々が社寺参詣や湯治のために旅する時代。旅本の執筆を生業とする和泉蠟庵は、無名の温泉地や旧跡を求め荷物持ちの耳彦らとともに旅していた。しかし蠟庵はとある悪癖を抱えていた。 「また、いつもの不毛がはじまった」 地図を見て歩け…

ラスト・ワルツ 柳広司著 角川書店 2015年

『ジョーカー・ゲーム』シリーズ4冊目。 ネタばれになってるかも、すみません; アジア・エクスプレス 満鉄特急<あじあ>号にて。瀬戸はソ連の内通者モロゾフと接触する手筈だったが、その前にモロゾフは車内のトイレで死体で見つかった。どうやらソ連のス…

曽呂利!秀吉を手玉に取った男 谷津矢車著 実業之日本社 2015年

堺の町で、秀吉を愚弄した落首が見つかった。調べたところ、職人長屋に暮らす鞘師の曽呂利新左衛門という男の仕業だった。捕えられて討ち首になるはずが、持ち前の才覚で死罪を逃れたどころか、口八丁手八丁で秀吉に取り入り幕下の一員に収まってしまう。 鮟…