読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

永遠の夏をあとに 雪乃紗衣著 東京創元社 2020年

 田舎町に住む小学六年生の拓人は、幼い頃に神隠しに遭い、行方不明だった2ヶ月間の記憶を失っている。そんな拓人の前に夏休み初日、バイオリンをもった弓月小夜子と名乗る、年上の見知らぬ少女が現れた。昔、時々拓人の家を訪れ、拓人の母とともに三人で暮らしていたことがあるというが、拓人はどうしても思いだせない。母の入院のため、小学生最後の夏休みを小夜子(サヤ)と過ごすことになった拓人。だが、サヤはなぜか自分のことを語ろうとしない。拓人の記憶に時折よぎるのは、降りしきる花びらと、深山で鳴りつづけるバイオリンの音、月が狂ったように輝く海――なぜ俺はサヤを忘れてる?
 ≪彩雲国物語≫の著者が贈る、懐かしく切ない物語。(紹介文より)

 さて、どうしたものやら。
 1999年と1993年の出来事が行き来する構成、これが実は私にはわかり難くてですね;
 全てに説明がつくのではなく、不思議は不思議として描かれる世界。それも混乱した要因の一つなんですが、でも、面白くない訳じゃないんだよなぁ。特に、拓人と彰の関係性は読んでて気持ちよかったし。最後、あれ、サヤは帰って来た、ってことなのかな。
 連想したのは遠田潤子さん。特にサヤの境遇なんて、遠田作品にありそうな感じでしたね。
 それにしても、男の子の皆さん、怪我の治り異様に早くないかい?(笑)