ルビンの壺が割れた 宿野かほる著 新潮社 2017年

　覆面作家デビュー作。
　ネタばれになってるかな、すみません；

　この小説は、あなたの想像を超える。
　結末は、絶対に誰にも言わないでください。

　「突然のメッセージで驚かれたことと思います。失礼をお許しください」――送信した相手は、かつて恋人だった女性。SNSでの邂逅から始まったぎこちないやりとりは、徐々に変容を見せ始めた。
　結婚式当日、突然行方をくらませた女性。男はかつての思い出を語る。大学時代演劇部でのエピソード、女性が持っていた類稀なる演技力、演出家であり脚本も書いていた男は、婚約者がいながら女性に惹かれて行ったこと。
　一方方向だったやり取りはやがて双方向になって行く。思い出話から導き出される真実、そして現在の二人の境遇は。…　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（出版社紹介文に付け足しました）

　話題作でしたね～。手に取って、思いがけず薄かったのでびっくり。
　面白かったです。ああ、この頃はこういう再会の仕方もあるのね～、と思ったり。ただ、男性側の過去があんななら、女性の方は警戒心解くの早過ぎないか、と言う気がしないでもない。女性の方の過去にしても、自分がそのバイト（？）を選んで、それに対して誇りを持っているのはいいとして、誰彼構わず関係を持ってる、ってのは違うんじゃないかい、とちょっと価値観理解できませんでしたね。それともその相手ともちゃんと金銭の譲受が成り立ってなのかな。それなら筋通ってるな、と納得するんだけど。
　突っ込み所は万歳だった気がしますね～。