読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ラスト・ワルツ 柳広司著 角川書店 2015年

 『ジョーカー・ゲーム』シリーズ4冊目。
 ネタばれになってるかも、すみません;

アジア・エクスプレス
 満鉄特急<あじあ>号にて。瀬戸はソ連の内通者モロゾフ接触する手筈だったが、その前にモロゾフは車内のトイレで死体で見つかった。どうやらソ連のスパイ組織<スメルシュ>に殺されたらしい。
 スパイとして従来の考え方を否定し、主義主張の実現のために目立つことも殺人も辞さない相手にどう対処すべきか。手慰みのカード捌きに惹きつけられた子供たちを味方に引き入れ、瀬戸は<スメルシュ>の炙り出しにかかる。

舞踏会の夜
 華族の家に生まれた顕子は陸軍大佐の元に嫁いだ。夫とは完全な政略結婚、お互い干渉しあわない関係を楽しんでいる。退屈な仮装舞踏会の最中に思い出すのは20年前のこと、息が詰まるような生活に反抗して夜遊びを覚えていたあの日に出会った若い男。名前も知らないのに再会を願って、今も無意識のうちにダンスホールにその男の姿を探している。

 ドイツの映画撮影所にて。監督権俳優として呼ばれた日本人・逸見五郎の前に現れたのは雪村と名乗る青年、内装業者として新日本大使館の建築に携わっているという。だがそれは彼の表向きの姿、実際は大使館の防諜体制を整えるために派遣されたスパイだった。いくつも仕掛けてある盗聴器に眉を顰める雪村。やがて、撮影所に現れるという幽霊の噂が、彼の耳に入って来る。これは何を意味するのか。ナチス宣伝大臣ゲッベルズは何を探しているのか。…


 アニメも始まった『ジョーカー・ゲーム』シリーズ、そういえば4冊目読んでなかったなぁ、と借りてみました。そうか、この本、実写映画にあわせて刊行されたんだっけ。
 面白かったです。初期のわくわく感ってのは減ったかもしれないけど、抜群の安定感。意外な人物、どんでん返し。どうやら若き日の結城中佐も出てきたし(笑)。
 『ワルキューレ』の雪村がどうもそれらしくないなぁ、と思ってたら、それも伏線だったとは。

 アニメも面白く見てます。原作読んでる筈なのに内容忘れてる作品もあって、少々情けない思いもしつつ;
 でもスタッフもキャストの皆さんも、もういかにも楽しそうですよね(笑)。そう、男の子こういうの好きだよね、やってみたいよね(笑)。そう考えると男性声優さんって「ガンダム乗りたい」だの「必殺技叫びたい」だの「(田中芳樹作品みたいな)渋い歴史物やりたい」だの、目標が見え易い形である気がする。女性声優さんのモチベーションって難しそうだなぁ。昔は世界名作シリーズがあったけど、今はプリキュア的な魔法少女ものなんだろうか。
 TV版の予告が、D機関の面々が事件の後(多分)に近況を報告する雑談をしてる、って感じの映像で、妙に小洒落てかっこいい。ただそれに気づいたのが三話目くらいが済んだ後で; 見返したいと思ったら、HPではやってないのね;; う~ん、もうちょっと消さずに取っとくんだった;