「二級天使」「龍神沼」「幽霊少女」「サイボーグ009」「マンガ家入門」はもちろん、後期の「仮面ライダー」「HOTEL」「マンガ 日本の歴史」なども含めて石ノ森作品を緻密に読み込み、手塚治虫との関係や当時のマンガ界の状況も補足しながらその魅力を抽出する。
天才と謳われる一方、1970年代以降の作品は「つまらなくなった」とも言われるこれまでの一面的な評価をくつがえし、マンガという表現形式の多様性とその可能性を晩年まで追求した意義を再評価する。今日も拡大し続ける石ノ森作品のポテンシャルの高さを指し示すマンガ評論。
作品図版を多数所収。 (出版社HPより)
作品図版を多数所収。 (出版社HPより)
石ノ森章太郎の作品は、実はあまり読んだことがありません。『サイボーグ009』をしっかり読んだのは近年だし、ただ何故か『人造人間キカイダー』だけはしっかり読んでて、で、その内容にあまりにも衝撃を受けたのは記憶鮮明。今思い返しても面白かったと思う。
で、本書です。図書館の書架で見かけて手に取りました。
手塚治虫が「完全」/「不完全」、<生身の身体>/<記号の身体>という二分法の枠組みで描き、石ノ森は欠損という概念それに基づく二分法を否定――という説明には、素直にそうか、と思いました。
風景に心情を託す表現、その洗練。行き過ぎるとまどろっこしくなっちゃうんだけど、まぁそれは置いといて(苦笑;)。でもこれ、新海監督作品にも共通してないかしら。
「苦労したことがない」と言い切る天才、その代わり拘りもなく、色々な分野に手を出し、繋げていく。「どうしても描きたいというものがない」趣味の広さ。
…それでもやっぱり『サイボーグ009』は完結して欲しかったんですけどね。息子さんが書いた小説読むしかないのかなぁ。
で、本書です。図書館の書架で見かけて手に取りました。
手塚治虫が「完全」/「不完全」、<生身の身体>/<記号の身体>という二分法の枠組みで描き、石ノ森は欠損という概念それに基づく二分法を否定――という説明には、素直にそうか、と思いました。
風景に心情を託す表現、その洗練。行き過ぎるとまどろっこしくなっちゃうんだけど、まぁそれは置いといて(苦笑;)。でもこれ、新海監督作品にも共通してないかしら。
「苦労したことがない」と言い切る天才、その代わり拘りもなく、色々な分野に手を出し、繋げていく。「どうしても描きたいというものがない」趣味の広さ。
…それでもやっぱり『サイボーグ009』は完結して欲しかったんですけどね。息子さんが書いた小説読むしかないのかなぁ。