読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

エンド オブ スカイ 雪乃紗衣著 講談社 2019年

 ネタばれになってるかも、すみません;

 23世紀、人々はごく一般的になったゲノム編集(デザイン)技術によって老いや病から緩やかに遠ざかりつつあった。ただひとつ、“霧の病(ダーク・フォグ)”と呼ばれる原因不明の突然死をのぞいて。世界最高峰の頭脳が集まる香港島で、遺伝子工学の権威、ヒナコ・神崎博士は、海から現れたひとりの少年と出会った……。 
                                       (出版社HPより)

 AD22XX年、香港・湾岸区。
 世界屈指の遺伝子工学博士 ヒナコ・神崎はSPの目を逃れてネオ九龍地区にいた。同じ研究職にいた母を亡くしたばかり、謎の発作“霧の病(ダーク・フォグ)”の解明を引き継がねばならないとわかってはいるが動けない。そこで彼女はホームレスのような暮らしをする少年と出会う。言葉の喋れない、でも毒の魚を食べても体を壊さない身元不明の少年。泣きじゃくるヒナの傍に、ただ寄り添ってくれた少年。後日、彼は香港政府に捕獲され、ヒナは身元引受人を申し出る。彼は生まれてこの方、遺伝子操作を受けていなかった。
 あらゆる病気に対する回避、望みの容姿を手に入れるためにすら、遺伝子書き換えを行う香港地区で、それは違法な存在だった。ヒナは、少年の遺伝子が“霧の病(ダーク・フォグ)”の原因解明のヒントになるのではないかと推測する。
 彼をそのままそっとしておきたいという気持ちもある中、ヒナの親友の生物学者が霧の病(ダーク・フォグ)で死亡。少年にまとわりついていたダンサーを夢見るコールガールの少女も、ヒナの目の前で発症した。自身の命の期限もあわせて、ヒナは決断を強いられる。…

 そうそう、この作者はエピローグが長いんだった。読者をもっと信じてもいいのになぁ、余韻がかえって台無しになっちゃう気がする。
 何だかんだでもハッピーエンドだろうと思ってたので、途中でヒナが死んだ時にはちょっと驚きました。いや、やっぱりちゃんと救いはあったんだけど。
 母親との因縁、少年ハルの正体なんか見てると、続編というかスピンオフへの布石は打たれてる気がします。…これ出るのかしら。このまま終わってもいいと思うんだけど。