読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬 若林正恭著 KADOKAWA 2017年

 ネタばれになってる気がします、すみません;

 読者の共感を呼んだ前作「社会人大学人見知り学部 卒業見込」を出発点に、新たな思考へと旅立ったオードリー若林の新境地! 

 累計20万部に迫る前作『社会人大学人見知り学部 卒業見込』。
 そこで吐き出された社会への違和感、悩みは普遍的なものだと思っていたけれど、
「あれ? これって人が作ったシステム上の悩みに過ぎなかったのか?」
と気づいてしまった著者。
「俺が競争したい訳じゃなかった! 競争しなきゃ生きていけないシステムだった!」
 新しい発見に意識がいったところで、
「別のシステムで生きる人々を見てみたい」
と、猛然とキューバへ旅立った。

 キューバはよかった。そんな旅エッセイでは終わらない、間違いなく若林節を楽しんでもらえる、待望の書き下ろしエッセイです。
 本当にプライベートで若林さんが撮ったキューバ旅行の写真も多数掲載。           (出版社HPより)


 
 なかなかに面倒臭い(失礼;)性格をした若林さん、社会主義国キューバへ。自分で飛行機を予約し、宿を取り、現地ガイドさんに案内して貰って、最終日にはたった一人で観光するまでに。
 自問自答する最終ターンで、著者が内なる「誰」と会話していたのかが明かされます。…これは狡いなぁ。
 お父様、亡くなってたんだ。…というのはTV番組『しくじり先生~』でも仰ってましたが、それも私は驚いたことで、というのはラジオではあの段階では(多分)触れていなかったと思うから。(箱根への家族旅行は話題にしてらっしゃったと思う) …と言っても私、寝落ちすることが多いので確信は持てませんが;
 それにしても若林さん、こんなにお父様と仲良かったんだ、何だか意外。「仕事中は分人が違う」って、こういう場面でそんな表現が使われるとは思いませんでした。そしたら、私が漠然と理解していた「分人」の定義と、意味合いが違うのかもしれないなぁ。

 機会の平等と結果の平等の差、という結論に達した著者。欲と言うものがある以上、人間には社会主義はあまりにも崇高すぎる理想なのかもしれません。どちらの気持ちも分かるのが辛い所です。