読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

化物語(バケモノガタリ) 【上】 西尾維新著 講談社BOX 2006年

 連作短編集。
 ネタばれになってるかも、すみません;

第一話 ひたぎクラブ
 高校三年のGW明け、学校の階段で、クラスメイトの戦場ヶ原ひたぎが足を滑らせた。とっさに受け止めた「僕」阿良々木暦は、その軽さに驚く。
 「近づくな」とさんざん脅されながらも、暦は自身も世話になったことがある怪異の収集家・忍野メメの元に連れて行く。押野はひたぎが「おもし蟹」に憑かれている、という。

 母の日、公園にて出会った小学生の女の子は、八九寺真宵と名乗った。家庭の事情で長く会っていない母親を訪ねて来た、だが区画整理が進んでいるせいか家に辿り着けないと言う。ひたぎと二人、真宵を案内しようとする暦。しかしやはり母親の家は分からず、暦は怪異の存在に思い当たる。

 五月末、この頃暦は後輩の女子にストーキングされている。神原駿河、バスケット部を全国レベルにまで押し上げた有名人。彼女は中学の頃戦場ヶ原ひたぎと仲が良く、「ヴァルハラコンビ」とまで呼ばれていたとか。
 ひたぎに勉強を教えて貰った帰り、暦は何者かに襲撃される。獣のような左腕を持ったレインコート姿の人物、暦は駿河を訪ねて忍野の元に連れて行く。…


 この春まで再放送されていたアニメ『化物語』を見て、とにかく原作が気になりました。どういう内容をアニメに再構築したんだろう、ってんで図書館で検索掛けたら、どうやら同じように考えた人は多々いたようで、2006年発行の本なのに予約者7人(苦笑;)。上巻だけですが、ようやく回ってきました。
 凄い。登場人物の台詞が、あの声で聞こえて来る…!
 「藤子不二雄の漫画のようにずっこけた」とか、本当にそう表現してたもんなぁ。
 春休みの吸血鬼騒ぎとかGWの羽川翼の猫憑きとか、原作にも実際詳細がなかったんですね。「ある前提」で書かれた話、つまり忍野と暦の出会いは描かれず、忍野忍も「そこにいる」状態。ある意味フラストレーションが溜まるよなシチュエーション小説、後々シリーズは刊行されてるので穴は埋まっていくんですが、でもこれを最初に受け入れた読者も凄いし、飲み込ませた作者の力量も凄い。
 さて、下巻が回ってくるのはどのくらい先になるのかな。アニメで感じていたより羽川翼の印象が強かったので、「つばさキャット」が楽しみです。