読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

仙丹の契り~僕僕先生 仁木英之著 新潮社 2014年

 『僕僕先生』シリーズ最新作。
 この作品を気に入っている方は、この記事を読まれない方がいいかと思います;;
 ネタばれあります、すみません;

 人の恋路の相談に乗ったりして人間に戻りかけている薄妃とは、雲南の程海で別れることになった。
 僕僕一行が吐蕃チベット)に向けて進むにつれ、奇妙な肺の病が流行って来る。それは僕僕たちの力を受け流してしまうような宝具を持った、白粉を塗りたくった男・デラクの仕業らしい。
 いよいよ国境の町で王弁は吐蕃の医師ドルマと再会する。病に倒れた城主ダー・バサンを治すための医師募集に、二人とも応募したのだ。だが目の前でダー・バサンは殺され、王弁たちはダー・バサン殺害の容疑をかけられる。ドルマはかつて王位を嫌って逃げ出した吐蕃の王子であり、故郷に戻ってきたことによって実の叔父・バイーからも狙われる立場になっていた。王位を望むバイーの後ろには、仙人・王方平の存在が見え隠れする。
 現在の王テムジンはやはり病床にいて、ドルマを許してはいない。テムジンの病がやはり人為的なものだと見抜いた僕僕は、仙丹を練ることを王弁に提案する。それは、二人の体を合わせることを意味した。
 こんな形で、と渋る王弁。ようよう作った仙丹は、劉欣の元仲間で胡蝶の田欧に奪われてしまう。
 荒れる王位継承に仙人・漢人の思惑も入り混じる。王位の行方はどこに落ち着くのか。…

 
 ええと、王方平ってのは仙人は人間界から出よう、仙界に戻ろうって主義の人じゃなかったっけ。どうして吐蕃の跡継ぎ問題に口出してるんだ??
 どうしてだろう、何だか今回乗り切れなくてですね。というか、僕僕先生の過去だの天地創造だの、って辺りが描かれ始めた頃から心は離れ始めていたんですが(苦笑;)。
 とにかく登場人物の名前が入って来ない。王弁の、本来なら愛すべき愚かさにどうも微笑ましさを感じない。作者はそう書いてるつもりなんだと思うんだけど、どうも私には眉を顰める対象にしかならない。田欧の僕僕への表現「手だれを装う生娘」にものすごく引っ掛かりましたね、作者というか何と言うかの、ヒロインへの隠れた願望を見た気がして。考え過ぎと言われればそうなんでしょうけど。
 う~ん、このシリーズ読むのやめようかなぁ; 迷う所です;;