「物語」シリーズ第二弾。春休みの話。
ネタばれあります、すみません;
ネタばれあります、すみません;
第零話 こよみヴァンプ
高校二年の終業式後、春休みの始まり、優等生羽川翼の風に舞い上がるスカートの下を見てしまった日の夜。阿良々木暦は伝説の美しき吸血鬼、鉄血にして熱血にして冷血のキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードに出会った。両手両足を三人の吸血鬼狩りに取られたキスショットは、自分の回復のため暦に全血液を差し出せ、と要求する。死を覚悟する暦。だが目覚めてみれば、そこには子供の姿をしたキスショットと、吸血鬼と化した自分がいた。暦が人間に戻る方法はあるが、そのためには、キスショットが完全体になる必要があるという。つまり、奪われた両手両足を取り戻せ、と。
「バランスを取るため」と忍野メメはキスショットと吸血鬼狩りたちとの間に立って交渉を成立させた。暦は夜の高校で、三人の吸血鬼ハンターと順々に戦っていくことになる。
一人目はドラマツルギー、二メートルを超える巨漢の吸血鬼。キスショットの眷属としての驚異的な回復力で何とか勝つ。
二人目はエピソード。巨大な十字架を担いだヴァンパイア・ハーフ。霧に姿を変える相手に通常攻撃は通用せず、異物を混入させることで勝つ。
三人目はギロチンカッター。信仰による吸血鬼退治の専門家。忍野メメのアドバイスもあって、人の姿を捨てることで何とか勝つ。
四肢を取り戻して本来の姿に戻ったキスショットは、食糧としてギロチンカッターを喰ってしまった。その現場を目撃して、暦はキスショットを復活させてしまったことを後悔する。自分が責任を取るしかない。また、自分が人間に戻る方法も、キスショットを倒すことしかない。暦はキスショットとの対決を決意する。…