読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

僕僕先生 零 仁木英之著 新潮文庫NEX 2015年

 『僕僕先生』番外編。
 このお話が気に入ってる方は、この記事を読まれない方がいいかと思います;;


 天地が今よりもずっと熱く、神々がその主人だった頃のお話。
 創造主・老君は天地開闢にまず宝具「一」を置いた。その後、創りだした三聖 黄帝軒轅、炎帝神農、西王母にそれぞれ天地の秩序を定めること、天地を栄えさせる存在の創造を、創造され秩序を与えられたものを殖やすことという役割を与えた。それから幾星霜。
 黄帝炎帝の間に不和が起き始めているらしい。それを象徴するかのように世界に異変が起きている。
 炎帝は自分の創り出した神仙や妖怪を無秩序に世界に送り出して世界の「気」を減らし続けているし、黄帝は勝手に「人類」を創り出し、自分のテリトリーから炎帝の創造物を締め出している。炎帝黄帝の行動を探る意味も含めて、水を司る神・拠比に人の姿をとらせ、異変を解消するために「一」を探すよう命令する。人の形となった拠比は以前のようには神通力を使えず、しかも空腹になるとそのわずかな力すら発揮できない。炎帝は拠比の食事係として、料理仙人・僕僕を創造し相棒につける。だが拠比にとって食事とは腹を満たす意味だけで、「おいしい」という感覚がどうしても理解できない。
 力が弱くなったことで拠比たちは黄帝の領域に入り込めた。まず探すのは探し物をみつけるために創られた神・導尤。導尤は炎帝の元を去り、どこかに引き籠ってしまった。僕僕は人間にも自慢の料理をふるまい、導尤への手がかりを得る。黄帝はどうやら、人間が神仙に祈る力を、「気」の代わりにしようとしているらしい。…


 う~ん、表紙が可愛い。
 CGで描かれたものだとは思うんですが、このフィギュアっぽい造型は何?? これ、実在するんだったらちょっと欲しいぞ。
 おそらく『僕僕先生』本編の『さびしい女神』に属する内容。見覚えのある名前を持つ登場人物もちらほら見かけましたし。この作者、天地創造好きだなぁ。
 何かね、今回思いました。この作者、表現が不親切なんだわ。え、この人誰だっけ、いつの間にこんな展開になってたんだ、ってことが多々ありまして。

 槍が何かを砕いた。
「何だ今のは」「幻の源です」
 拠比は注意深く割れた鏡の周囲を見守る。

 …「何か」ってのが鏡だった、って一文を入れてよ、って思っちゃうんだよなぁ。自分の中では映像で浮かんでるかもしれないけど、読者の方が色んなことを察しながら読まなきゃいけない、ってのは重なり過ぎるとストレスで、面白いと思えなくなってくる、と自分の読解力の無さを棚に上げて言ってみる。
 さて、「一」の欠片は全部で九つ。ということは全9巻か10巻になる、ってことでしょうか。…読むかなぁ、う~ん;