故郷に帰るバスに乗ったユーリが迷い込んだのは、遠近の概念が狂った世界だった。
ここでは、目の前に見えるものがそばにあるとは限らず、屋外に出ればたちまち道に迷ってしまう。
街の人々に教えられ、ユーリはこの世界のことを少しずつ知っていく。
ここでは、目の前に見えるものがそばにあるとは限らず、屋外に出ればたちまち道に迷ってしまう。
街の人々に教えられ、ユーリはこの世界のことを少しずつ知っていく。
私生活のすべてを犠牲にして、この世界の道筋を記憶する女性「ネハリ」。
不死の「渡来人」。砂漠の先にある「分断線」。
人間と決別し、野生に戻った本たちと「本を統べる者」。
そして、通り過ぎる街の人々を連れ去っていく「鼓笛隊」。
全滅の危機に瀕した街のために、ユーリは立ち上がる。不死の「渡来人」。砂漠の先にある「分断線」。
人間と決別し、野生に戻った本たちと「本を統べる者」。
そして、通り過ぎる街の人々を連れ去っていく「鼓笛隊」。
この世界にあるはずのない「30センチのものさし」を持って。 (出版社HPより)
故郷に帰るバスで寝過ごして、着いた終点は異世界だった。
遠近の概念が狂った砂の世界、漸く出会った女性・エナに導かれて、悠里(ユーリ)は町に辿り着く。
この世界は創造主・統治者の怒りを買って砂漠で分断され、人に受け継がれる地図によって何とか秩序を保たれていた。だが8年前、継承者が行方不明になったことで苦難がさらに加速する。元々町の秩序に縛られていなかった辺境の地の民が施政官の地位を引き継いで人類存続に勤めたが、差別意識は根強く残る。また、異世界からの渡来人であるユーリにも、民衆から救世主としての期待値が上がり始めた。
自分の世界に帰るためにも、自分と接触したことで若返り始めたエナを救うためにも、ユーリは測量士たちと共に旅に出ることにする。目指すは貯刻地、そこには全ての記録があるという。町の人々をさらって行く「鼓笛隊」への対処も、ユーリが元の世界に帰るバス停の在処や時刻表も。
毎日 意味の分からない訓練をこなすムキ、施政官とエナ、測量士と共に旅に出たユーリ。懐には物心ついた頃にはもう持っていたものさしと、いつの間にか鞄に入っていた水色の本を持って。貯刻地は分断線の向こうにあり、そこは象の墓場でもあるという。…
遠近の概念が狂った砂の世界、漸く出会った女性・エナに導かれて、悠里(ユーリ)は町に辿り着く。
この世界は創造主・統治者の怒りを買って砂漠で分断され、人に受け継がれる地図によって何とか秩序を保たれていた。だが8年前、継承者が行方不明になったことで苦難がさらに加速する。元々町の秩序に縛られていなかった辺境の地の民が施政官の地位を引き継いで人類存続に勤めたが、差別意識は根強く残る。また、異世界からの渡来人であるユーリにも、民衆から救世主としての期待値が上がり始めた。
自分の世界に帰るためにも、自分と接触したことで若返り始めたエナを救うためにも、ユーリは測量士たちと共に旅に出ることにする。目指すは貯刻地、そこには全ての記録があるという。町の人々をさらって行く「鼓笛隊」への対処も、ユーリが元の世界に帰るバス停の在処や時刻表も。
毎日 意味の分からない訓練をこなすムキ、施政官とエナ、測量士と共に旅に出たユーリ。懐には物心ついた頃にはもう持っていたものさしと、いつの間にか鞄に入っていた水色の本を持って。貯刻地は分断線の向こうにあり、そこは象の墓場でもあるという。…