読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

まれびとパレード 越谷オサム著 KADOKAWA 2018年

 短編集。ネタばれあります、すみません;

人生を変えてくれたのは、人間ではない何かでした――。

ゾンビ、座敷わらし、泥田坊、邪鬼――。
彼らに出会ったら、何だか少し、変わるかも!?
陽だまりの彼女』の越谷オサム最新作。                  (帯文より)


 Surfin’ Of The Dead(邦題:サーフィン・ゾンビ)
結婚して戻った地元はすっかり寂れていた。名物のマサバが獲れなくなって5,6年、特産物それだけに頼っていたツケでもある。海を眺めながら昼弁当を食べていたら、一年前海に攫われたコータ先輩がサーフボードに乗って帰って来た。しかもゾンビになって。

 弟のデート
実家改装のため仮住まいした古い家で、姉弟は座敷わらしに会った。母親が男を作って出て行って以来、高校生の紗良の恋愛観は歪なままだし、中学生の弟 健人は引き籠っている。でも父親の仕事は怖いくらいに順調、座敷わらしのおかげなんだろうか、機嫌を損ねられたらえらいこっちゃと接待に走る紗良。だが姉の思いはどこ吹く風、健人はどうやら座敷わらしに恋したらしい。

 泥侍
怪しい男の声がする。通報を受けて倉庫跡地に行った市職員が出会ったのは妖怪泥田坊、しかも自分のご先祖様らしい。ショッピングモール建設が決まっている土地(しかし採算が取れるとは思えない)に居座る泥田坊、上層部は困り顔だが、直属の先輩は妖怪マニアということもあって大興奮。泥田坊を救えないかと奔走する。

 ジャッキーズの夜ふかし
興福寺東金堂の四隅を護る四天王立像。彼らに踏まれ続けている邪鬼たちの冒険譚。…

 
 うん、面白い。
 明るく楽しい妖怪譚(笑)。何と言っても『サーフィン・ゾンビ』だろうなぁ、トビに狙われ、魚に食べられながらも妙に前向き、グロテスクな筈なのにユーモラスで、先輩かっこいい。(←何か違う・笑)
 このほんわか、のんびりした温かさは個性ですよね~。座敷わらしに水ようかん勧めたり、回り将棋(懐かしい!)に勤しんだりする様子も呑気で楽しい。
 素直にほのぼの読めました。