読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

インド倶楽部の謎 有栖川有栖著 講談社 2018年

 社会人アリス、国名シリーズ第9弾。

 前世から自分が死ぬ日まで―すべての運命が予言され記されているというインドに伝わる「アガスティアの葉」。この神秘に触れようと、神戸の異人館街の外れにある屋敷に“インド倶楽部”のメンバー七人が集まった。
 神戸が誇るショーレストラン<ニルヴァーナ>のオーナー、マハラジャと呼ばれる間原豪太と、特徴的なアイメイクを施したその妻の洋子。
 イベントプロモーターの加々山郁雄はショービジネスを通じて間原と知り合い、井深リンはヨガ教室の講師。そちらに通っている女性私立探偵が坊津理帆子で、佐分利栄吾は西元町で心療クリニックを開設している臨床心理士、そしてインド音楽に精通した路上楽器奏者弦田真象。彼らは前世、150年ほど前のインドから繋がりがあったのだと言う。
 プロモーターの出戸守の紹介で、ナーディー・リーダーのラシーブを招いての「アガスティアの葉」リーディング会、ラシーブは依頼人の過去を次々と言い当てて行く。加々山の失恋、坊津の前世、間原の前妻の天災による死。
 そしてその数日後、イベントに立ち会った者が相次いで殺される。出戸の死体がスーツケースに詰められた状態で神戸港から見つかり、元町の探偵事務所で坊津が絞殺されていた。しかも坊津の手帳には、ラシーブによって坊津の死亡日が記載されていた。
 まさかその死は予言されていたのか!? 捜査をはじめた臨床犯罪学者の火村英生と推理作家の有栖川有栖は、謎に包まれた例会と連続殺人事件の関係に迫っていく。…
                                 (裏表紙の紹介文に付け足しました)

 相変わらず、有栖川さんのこのシリーズは文章がチャーミング。何気ない言い回しが小洒落ていてユーモラスで、なんだか頬が緩んでしまう。
 で、特に今回は神戸ですよ! トアロードだの生田筋だの南京町だの、もう馴染みのある地名にテンションが上がる上がる(笑)。元町大丸に東急ハンズアニメイトからジュンク堂回ってダイソーブックオフ、長沢文具、ユザワヤと来てロフトと三宮そごう、ってのはもう神戸出た時のルーティーンなので(笑)。
 事件については急転直下、え、もうページ残り少ないけど、と思ってたらいきなり解決した感じ。いや、確かに解説されればそうなんですけどね、納得はしました。で、アリスってこんなに火村を思い遣っていたっけ、ってのは、そう言えば毎回思うんだよなぁ。
 <ニルヴァーナ>のモデルはモダン寺かなぁ、と勝手に思いつつ。今回は聖地巡りが簡単にできそうです。