読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ビブリア古書堂の事件手帖~扉子と不思議な客人たち~ 三上延著 メディアワークス文庫 2018年

 『ビブリア』シリーズ新章。

 大輔がどこかに置き忘れたという青い手帳を探す栞子。

 第一話 北原白秋与田準一編『からたちの花 北原白秋童謡集』(新潮文庫
栞子と大輔が結婚してすぐのこと。
平尾由紀子は、長いこと絶縁状態だった叔父を訪ねるに当たって手土産として父に言いつかった北原白秋の『からたちの花』を探す。幼い頃、一時期だけ一緒に暮らしたことのある叔父。だが犯罪者だった叔父に対する目は冷たかった。

 第二話 『俺と母さんの思い出の本』
栞子と大輔が結婚した冬のこと。
語学、音楽、絵画等々、息子に英才教育を施した筈なのに、オタクに育ってしまったと嘆く磯原未喜。イラストレーターとして人気を誇った息子は、先日突然死した。直前に「母さんとの思い出の本が見つかった」との言葉を残して。母親は、それが何か知りたいという。

 第三話 佐々木丸美『雪の断章』(講談社
小菅奈緒が受験生だった頃。
ホームレスだった志田と連絡が取れなくなった。心配する奈緒に、紺野祐汰と名乗る少年が近付いてくる。彼は志田からの伝言を預かっていると言い、奈緒に『雪の断章』の本を差し出した。もう既に貰っている本を、何故もう一度奈緒は受け取ることになったのか。

 第四話 内田百閒『王様の背中』(樂浪書院)
とある稀覯本コレクターが亡くなった。「舞砂道具店」吉原喜市の息子 孝二が訪ねた時には、もう蔵書はほぼ処分された後だった。わずかに残っていた本も、たった今ビブリア古書堂に持って行ったばかりだと言う。よりにもよって、シェイクスピアのファースト・フォリオの因縁があったビブリア古書堂。立ち寄るつもりもなかったのに、店番をしていた文香の勘違いから、孝二は蔵書の中に内田百閒『王様の背中』限定版があることを知る。…


 『ビブリア~』シリーズ、その後の話。
 栞子と大輔の娘・扉子に、過去の話を語る形で進められる形式、どうやら扉子はなかなか面倒臭い性格に育っているようで(笑)。
 相変わらず面白かったです。古典的な古書だけでなく、ラノベやゲーム本にまで取り上げられてて、へぇ、と思うことしきり。前シリーズでも手塚治虫藤子不二雄が出て来たリしてたけど、それより明らかに新しい価値観だもんなぁ。
 どうやらスピンオフ、ではなくこのまま続いて行くような感じですね。また読んじゃうなぁ(笑)。