読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

あきない世傳 金と銀 四 貫流篇  高田郁著 2017年 角川春樹事務所

 シリーズ4冊目。
 ネタばれになってるかも、すみません;

 江州波村の村人に見切りを告げられ、プライドを傷つけられた五鈴屋五代目店主惣次は、店を飛び出したまま行方不明に。店に顔を出さないまま、惣次は桔梗屋に相談を持ち掛け、弟の智蔵に会い、寄合仲間に隠居願いを出していた。
 智蔵は九年続けた戯作者への夢を諦め、五鈴屋を継ぐと共に幸を嫁に迎えることを決意する。
 心労に体調を崩していた富久は、五鈴屋の行く末を見届けたかのように息を引き取った。
 波村の羽二重は五鈴屋に利益をもたらし、産地を公表しなかったことから浮かび上がった盗品疑惑も、幸が産地との結びつきを得ていたことから解消した。商売を広げるため行商人の伝手を求め、宣伝材料としてその時に抱える風呂敷を思い付く。地方への仲介には、先に鉄漿粉販売を軌道に乗せた菊栄が手助けしてくれた。また、人形浄瑠璃に衣装を提供することで、幸は「流行を作り出す」仕掛けまでする。
 大きな利益を得た年末、桔梗屋売却の噂が流れた。桔梗屋買取に名乗りを上げたのは眞澄屋、五鈴屋の波羽二重に盗品の疑いをかけた因縁の相手。その騙し討ちのようなやり方に、幸は桔梗屋買い上げを決意する。…

 三人の兄弟に順々に嫁ぐ、ってそりゃ外聞悪いだろうなぁ。
 とはいえ、幸は自分の腕を存分に振るえる相手と巡り会えました。智蔵に「夢を諦める」ことを決断させた展開、昨今の風潮からするとなかなか奥深いような…。
 商いもとんとん拍子に上手く行ってます。かつて長男に愛想を尽かして出て行った手代たちが、こんな所で生きて来るとは…! てことは、ここで行方をくらませた惣次も、いずれ登場するんでしょうね。
 さて、幸は21歳になりました。…まだ若いなぁ。
 次巻に続きます。