読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

耽美・華麗・悪魔主義 谷崎潤一郎文学の着物を見る 大野らふ+中村圭子編著 河出書房新社 2016年

谷崎文学に登場するヒロインの着物姿を再現!
同時代に描かれた挿絵も同時掲載。岩田専太郎が描く「ナオミ」の着物、小倉遊亀の描く「細雪」幸子の着物――挿絵と本物の着物の美の饗宴!                        (内容紹介より)

 表紙のアンティーク着物に目を惹かれて借りてみました。さすが河出書房新社、変わったとこに目を着けるよなぁ。でも私、谷崎潤一郎文学は『春琴抄』しか読んだことがないんですけどね。
 何しろ初っ端が『細雪』、しかもお嬢さんたちの楽し気な会話の紹介から。
袋帯がお腹のところでキュウ、キュウ、云うて鳴るねんが」なんて、まぁ声に出して読んだら絶対楽しい。何度も舞台化や映画化されるのも分かる気がしました。
 ちなみに、この帯についてはうちの母曰く、「ええ帯やからや」。…成程。
 谷崎が東京出身、というのも初めて知って驚きました。ええ、芦屋に記念館あるやん?? 奥さんの四姉妹が『細雪』のモデル、というのは知ってましたが、谷崎自身も関西のどこかの人だと思ってた。

 読んでいくうち、谷崎文学はどんどんおかしな方向に。…ええと、改めて粗筋書かれると凄い内容なんですけど; 奔放な女性に振り回されたいとかまではともかく、息子のお嫁さんに足蹴にされたいとか何??(苦笑;)
 谷崎潤一郎が現在まで読み継がれる理由の一端が分かった気がしました。…同好の士が読んでるんだな。(←おいおい;)

 紹介される着物は今にはないような柄あいが多くて、で、私にはこの頃の方が可愛い。着こなしも違うのね、半襟を多く見せるんだ。…ただ、この着物にこの帯は合わせないな~、と言うものが多くてですね;
 これも当時の流行なのかな。
 とりあえず、『細雪』は読んでみようか、と思いました。