読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

永田町小町バトル 西條奈加著 実業之日本社 2019年

 ネタばれというか粗筋書いてます、すみません;

 保育園落ちて、仕事を辞めた。
 生活も育児も八方塞がり……
 こんなニッポンじゃ、子供が産めない!

 「法律を変えて、予算を勝ち取る―それができるのは、国会議員だけなのよ」。
 野党・民衛党から出馬し、初当選した芹沢小町は、「現役キャバクラ嬢」にしてシングルマザー。夜の銀座で働く親専門の託児施設を立ち上げた行動力と、物怖じしないキャラクターがメディアで話題となり、働く母親たちから熱い支持を集めたのだ。待機児童、保活、賃金格差、貧困…課題山積みの“子育て後進国”ニッポンに、男社会・永田町に、小町のパワーは風穴を開けられるのか!?
 吉川英治文学新人賞作家が挑む、新たな地平!                     (帯文より)

 芹沢小町、34歳。出身は長崎県の磯名島、父親は町おこしをしようと町会議員になったが志半ばで病に倒れた。その思いを引き継いで、家族中の反対を押し切って選挙に出たが落選、夫も娘も失って島を出た過去を持つ。だが娘の菓音は「恰好いい」母親を慕ってくれた。7歳の子供が家で同然で会いに来てくれたことを支えに、小町は東京に出てくる。そこで待っていたのは働こうとする子持ちの女性に対する、理不尽で矛盾だらけの託児制度。特に夜の仕事に就く女性が子供を預けられる所は無いに等しい。シングルマザーの困窮状態を何とかしたいと、小町は銀座で得た人脈を糧に野党から国会議員に打って出る。
 ライバルと目されるのは小野塚遼子、36歳。与党の二世議員でエリート経歴の持ち主、だが彼女も結婚で自分のキャリアを諦めた過去を持っていた。
 目指すのは通称「こども年金」制度、目的はほぼ変わらないのに、小町と遼子はことあるごとに対立する。どう考えても無理な財源を提案する小町に、首を傾げる遼子。小町の本当の目的は。…


 結構読むのに時間かかりました。特に前半ですね、現状を語るエピソードの数々や具体的な数字に、なかなか読むスピードが上がらない。でも後半はぐんぐん進みましたね、何か色々勉強になりました(笑)。そうか、もう景気は良くならないのか…。
 結局男性の賃金が低い方が理想のモデルケースになる、ってのは皮肉だなぁ。同じだけの金額を貰いたい、ってことを低い方に合わせると上手く行く、ってのがどうも…;
 明らかに現職議員を彷彿とさせる小野塚議員の造形、現実がこんなにすんなり進むとは思えませんが、少しでもよくなればいいなぁ。しかし保育士さんにしろ何にしろ、女性が多い職業、ってのは例え資格職でも、そんな年収上がらないんだよなぁ。