読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

読書 外国作家

妖女サイベルの呼び声 パトリシア・A・マキリップ著/佐藤高子訳 ハヤカワ文庫FT 1979年

米国での初出は1974年。 ネタばれあります、すみません; 魔術師サイベルは、母親であるヒルトの領主ホルストの長女・レアランから象牙色の髪と華奢な骨格を、父親から漆黒の瞳と幻獣達をあやつる術を受け継いだ。生まれてすぐに母親を、16歳で父親を亡くし…

ウィルキンズの歯と呪いの魔法 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著/原島文世訳 早川書房 2006年

英国での出版は1973年。ダイアナ・ウィン・ジョーンズが初めて書いた児童書。 ネタばれと言うか、粗筋ばりばり書いてます、すみません; 家の椅子を壊してしまってお小遣いを貰えなくなったジェスとフランクの姉弟。誰かの仕返しを代行してお金を稼ぐ<仕返…

ピノッキオの冒険 コッローディ著/杉浦明平訳 岩波少年文庫 1958年

イタリアでの出版は1880年。 大工のサクランボ親方はある日、テーブルの足にしようと思った木切れが泣いたり笑ったり、話しかけて来るのにびっくり仰天。偶然訪ねて来た喧嘩友達・ジェッペットに、その木切れをあげてしまいます。ジェッペットは丁度、操り人…

愛ふたたび 上下 フランバーズ屋敷の人びと4・5  K.M.ペイトン著/掛川恭子訳  岩波少年文庫  1986年

シリーズ4作目。クリスチナがディックと結婚してからの二年間を描いたもの。 英国での初出は1981年。 ネタばれと言うか、あらすじほとんど書いてます、すみません; 農夫のディックと階級を超えて結ばれたクリスチナ。グレイスおばは、最先端の世界に触れて…

めぐりくる夏 フランバーズ屋敷の人びと3  K.M.ペイトン著/掛川恭子訳  岩波少年文庫  1981年

シリーズ三作目。舞台は1916年、クリスチナ21歳の出来事。 英国での初出は1969年。 ネタばれというか粗筋ほとんど書いてます、すみません; 夫ウィルが戦死し、クリスチナはフランバーズ屋敷に戻って来た。屋敷は荒廃し、農場は荒れるにまかせている状態。年…

雲のはて フランバーズ屋敷の人びと2  K.M.ペイトン著/掛川恭子訳  岩波少年文庫  1981年

シリーズ二巻目。クリスチナ17~19歳まで、1913年から1915年までの出来事。 英国での初出は1969年。 ネタばれと言うか、あらすじほとんど書いてます、すみません; ウィリアムと駆け落ちしたクリスチナ。フランバーズ屋敷に行くまで一緒に暮らしていた、バタ…

愛の旅立ち フランバーズ屋敷の人びと1  K.M.ペイトン著/掛川恭子訳  岩波少年文庫  1981年

英国での初出は1967年。 粗筋ほとんど書いてます、すみません; 1908年、12歳の孤児クリスチナ・パーソンズはフランバーズ屋敷に引き取られて来た。 おじの地主ラッセルは、21歳になれば父親の莫大な財産を相続するクリスチナを、長男マークといずれ結婚させ…

時の彼方の王冠  ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著/三辺律子訳 創元推理文庫 2005年

〈デイルマーク王国史〉4作目。 英国での初出は1993年。 ネタばれあります、すみません; 〈唯一の者〉の娘、クレディンデイルのノレスを殺せ――アベラス女伯爵の命を受け、親衛隊員ミットはアデンマウスに旅立った。が、偶然に途中でノレスに出会った彼は、…

呪文の織り手 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著/三辺律子訳 創元推理文庫 2004年

英国での出版は1979年。 〈デイルマーク王国史〉三作目。 その昔デイルマークが〈川の国〉と呼ばれていた頃。 異教徒ヒーザンとの戦争に出征した父クラムは戦死、長兄ガルは心を病んで帰って来た。その陰で邪悪な魔術師カンクリーディンが〈川〉に呪いをかけ…

聖なる島々へ ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著/田村美佐子訳 創元推理文庫 2004年

英国での出版は1977年。 〈デイルマーク王国史〉第2巻。 藁でできたかかし「アメットさん」と果物でできたかかし「リビー・ビア」を海に放り込んで幸運を祈る海祭りの日に生まれたミットは、小作農の子供。貧しくても笑いの絶えない両親の元で育っていたが、…

詩人(うたびと)たちの旅 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著/田村美佐子訳 創元推理文庫 2004年

英国での出版は1975年。 《デイルマーク王国史》4部作、一巻目。 ネタばれしてます、すみません; 楽器を演奏し、伝説を語り、詩を歌いながら馬車で町から町へと旅するクレネン一家。明るく陽気で、でも独裁的な父親クレネン・メンデイカーソン、冷静で物静…

ふくろう模様の皿 アラン・ガーナー著/神宮輝夫訳 評論社 1972年

イギリスでの出版は1967年。 ウェールズの神話・伝説を敷いた物語。 フリュウ・フラウ・グウフェスは「今地上にいる人間の女は妻に出来ない」との呪いを掛けられた。彼はエニシダ、カシ、メドゥスウィートの花から美女を作り出し、ブロダイウィズと名付けて…

海駆ける騎士の伝説 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著/野口絵美訳 徳間書店 2006年

英国での出版は1995年、でも作者のメモによると1966年には書かれていたとのこと。 百年以上前の英国。今より貧富の差が激しく階級差がはっきりしていたこの時代、ある程度裕福な農場主・ホーンビー家は何とも中途半端な存在。16歳のセシリア・ホーンビーとそ…

招かれざる客たちのビュッフェ クリスチアナ・ブランド著 創元推理文庫 1990年

アメリカでの出版は1983年。 ミステリの真髄を伝える傑作短編集。…なんだそうで。 解説は北村薫。 事件のあとに/宇野利泰訳 オセロー公演中、看板役者ジェイムズ・ドラゴンの妻・グレンダが絞殺された。事件を調べた誰もが、演技力が無いくせに大役を欲しが…

サム・ホーソーンの事件簿Ⅰ エドワード・D・ホック著/木村二郎訳 創元推理文庫 2000年

米国での出版は1996年。 ニュー・イングランドの田舎町ノースモントで開業した青年医師、サム・ホーソーンが出会った事件の記録。 初期の短編12編と「長い墜落」を収録。 『有蓋橋の謎』: 雪のやんだ朝、有蓋橋の中に入ったハンクが馬車ごと消えた。橋に入…

ダルメシアン 100と一ぴきの犬の物語  ドディー・スミス著/熊谷鉱司訳  文溪堂  1996年

英国での出版は1956年。 ロンドンにポンゴとミセスのダルメシアンの夫婦がいました。彼らと一緒に暮らすのはデアリーさんとその奥さん。 ある日二匹と二人、デアリーさんたちのナニーは連れ立って散歩していて、奥さんのクラスメート、クルエラ・デ・ビルと…

バレエダンサー~木曜日の子どもたち 上下巻  ルーマ・ゴッデン著/渡邊南都子訳 偕成社 1991年

英国での出版は1984年。 ロンドンの北、郊外の町プリグリムズグリーンで八百屋を営むペニー家に、待望の女の子が誕生した。4人の男の子の後に生まれた女の子、クリスタル。元劇場のダンサーだった母親・モーディは彼女に自分の夢を託し、あらゆる環境を整え…

タイタンの妖女 カート・ヴォネガット・ジュニア著/浅倉久志訳 ハヤカワ文庫 1977年

米国での出版は1957年。 ネタばれあります、すみません; ウィンストン・ナイルス・ラムファードは愛犬カザックと共に、火星から二日の距離にある時間等曲率漏斗へ、自家用宇宙船で飛び込んでしまった。結果、現在ラムファードと愛犬は波動現象として存在し…

バビロンまでは何マイル㊤㊦  ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著/原島文世訳 東京創元社 2006年

イギリスでの出版は1997年。『花の魔法、白のドラゴン』の前日譚。 ネタばれあります、すみません; 多元宇宙全体を魔法で管理する世界。魔法管理官“マジド”の役職についているルパート・ヴェナブルズは地球出身。魔法を信じない「負領域」の地球で旧ユーゴ…

バンビ―森の生活の物語―  ザルテン著/高橋健二訳  岩波少年文庫  1952年

ドイツでの出版は1923年。 前々から、ディズニー映画の原作は読んでおいた方がいいだろうな、と思っていました。何しろ『人魚姫』をハッピーエンドにするお国柄、映画だけを鵜呑みにはしちゃいけないだろうな、と。と言っても私『バンビ』の映画、小さい頃見…

星を継ぐもの ジェイムズ・P・ホーガン著/池央耿訳 東京創元社 1980年

アメリカでの初出は1977年。 月面調査隊が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。すぐさま地球の研究室で綿密な調査が行われた結果、驚くべき事実が明らかになった。死体はどの月面基地の所属でもなく、地球のいかなる人間でもない、ほとんど現代人と同じ生…

シェパートン大佐の時計 フィリップ・ターナー著/神宮輝夫訳 岩波書店 1993年

イギリスでの初出は1964年の児童書。 ダーンリィ・ミルズに住んでいるデイビド・ヒューズは、生まれつき片足が少し短い。みんなのように走り回れない彼は、少し空想好きに育った。家は三代続いた建具職、お父さんの仕事場には、50年前お祖父さんがシェパート…

ダーシェンカ カレル・チャペック著/伴田良輔監訳 新潮文庫 1998年

日本での初出は1996年、本国東ボヘミア(現在のチェコ)プラハでは1933年出版。 チャペックの作品は学生時代、『R・U・R』読んで以来です。初めて「ロボット」と言う言葉が使われた作品、と知って当時手を出しました。ロボットが有機体だったのに驚いた覚…

レインボーマジック⑦ むらさきの妖精ヘザー  デイジー・メドウズ作/田内志文訳  ゴマブックス株式会社 2006年

レインボーマジック7作目、最終話。 夏休み最終日。レイチェルとカースティの二人は、メリーゴーランドの絵にむらさきの妖精ヘザーが閉じ込められているのを見つけます。魔法のバッグから取り出した絵筆でヘザーの体を撫でると、ヘザーはこちらの世界に戻っ…

レインボーマジック⑥ あい色の妖精イジー  デイジー・メドウズ作/田内志文訳  ゴマブックス株式会社 2006年

レインボーマジックシリーズ6作目。 雨の日、部屋の中で、レイチェルとカースティは、古いあい色の本を見つけます。載っていたお話は「くるみ割り人形」。粉雪の舞う挿絵の中に、二人は吸い込まれて行きます。 色とりどりのお菓子の町で、二人はイジーを見つ…

レインボーマジック⑤ 青の妖精スカイ デイジー・メドウズ作/田内志文訳 ゴマブックス株式会社 2006年

レインボーマジックシリーズ、5作目。 浜辺に来たレイチェルとカースティ。青いカニに導かれ、潮だまりの中を覗きます。大きな泡に包まれて、青の妖精スカイがいました。ゴブリンの接近のため潮だまりは凍りつき、スカイは弱って行く一方。魔法のバッグの中…

レインボーマジック④ みどりの妖精ファーン デイジー・メドウズ作/田内志文訳 ゴマブックス株式会社 2006年

レインボーマジックシリーズ4作目。 ムーンスピナー城の城跡にピクニックに来たレイチェルとカースティ。みどりのこけとツタに囲まれた塔に妖精の痕跡を見つけた二人は、ひらひら舞う葉っぱに導かれ、迷路の真ん中のハシバミの木に辿り着きます。木のうろの…

レインボーマジック③ 黄色の妖精サフラン デイジー・メドウズ作/田内志文訳 ゴマブックス株式会社 2006年

レインボーマジック、シリーズ3作目。 レイチェルとカースティは小川のせせらぎに誘われ、メリーさんの家へ辿り着きます。メリーさんは養蜂家、沢山の蜂の巣箱の中に、黄色の妖精サフランが隠れていました。 早速姉妹のいる虹の終わりのつぼに連れて行こう…

レインボーマジック② オレンジの妖精アンバー デイジー・メドウズ作/田内志文訳 ゴマブックス株式会社 2006年

レインボーマジック、シリーズ二作目。 レインスペル島にバカンスに来たレイチェルとカースティ。 海辺で大きくて平らな白い貝を拾います。中から聞こえる歌声に、きっと妖精がいると確信した二人。妖精の女王様から貰ったバッグの中から羽根を取り出し貝を…

踊る黄金像 ドナルド・E・ウェストレイク著/木村仁良訳 ハヤカワミステリ文庫 1994年

米国での初出は1976年。 ネタばれ、ではありませんがいいところは粗筋で書いてるような気がします、すみません; 南米デスカルソ国のホセ、エドワルド、ニンニの三人は、国立博物館の「踊るアステカ僧侶像」を横流ししようと企んだ。純金製、目にはエメラル…