読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

詩人(うたびと)たちの旅 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著/田村美佐子訳 創元推理文庫 2004年

 英国での出版は1975年。
 《デイルマーク王国史》4部作、一巻目。
 ネタばれしてます、すみません;

 楽器を演奏し、伝説を語り、詩を歌いながら馬車で町から町へと旅するクレネン一家。明るく陽気で、でも独裁的な父親クレネン・メンデイカーソン、冷静で物静かな母親レニーナ、歌を作る才能に溢れた長男のダグナー、父親からは明るさ、母親からは美貌を受け継いだ長女ブリッド、そして末の息子モリル。各領地の伯爵が圧政を敷く南部を旅して来た一家は、キアランと名乗る少年を北部に送り届けるよう依頼される。馬車の生活に馴染もうとしないキアランは、子供たちにとって鬱陶しい限り。ある湖畔で野営を張っていると、見知らぬ男達が現れ、クレネンを殺してしまった。レニーナは伝手を辿って、自分の元の婚約者、サウスデイルズ伯爵領マーキンド領主のガナーを訪ねる。ガナーは喜んでレニーナとその子供たちを受け入れる。元々サウスデイルズ伯爵ソーリアンの姪だったレニーナは生き生きと嬉しそうな様子、早速ガナーと結婚式を挙げると言う。
 あまりにも唐突な状況を受け入れられない子供達。クレネンを殺した男を屋敷の中で見かけたこと、キアランの行く末を託されていたこともあって、ダグナーはキアランを連れて屋敷を去り、ブリッドとモリルも行動を共にする。子供達だけでショーを開き、金を稼ぎ、北へ向かうが、途中の町で、ダグナーはスパイ容疑で捕まってしまう。
 訳が分からず、ダグナーに面会するモリル。クレネンは本当にスパイで、旅をしながら情報の受け渡しをしていたらしい。ダグナーは跡を継ごうとしてしくじったこと、キアランがソーリアン伯爵と敵対する北部のハナート伯爵の次男であること、自分に構わずキアランを北部に送り届けることをモリルに伝える。
 ダグナーなしでまた旅を続けるモリルたち。だがとうとうソーリアン伯爵軍に追いつかれ、キアランは捕まってしまう。モリルはクレネンから遺された弦楽器クィダーの不思議な力を使い、相手を眠らせて何とか逃げる。北部軍からの援軍とも合流し北へ逃れようとするが、眠りから醒めたソーリアン軍が追いついてきた。モリルはもう一度、クィダーをかき鳴らす。…

 連想したのは「母を訪ねて三千里」のペッピーノ一座や「ペリーヌ物語」。ただ単に派手な馬車で家族で旅しているから、ってだけなんですけど(笑)。
 作者の作った架空の国、架空の伝説、架空の歴史を掴むのに多少時間がかかりましたが、で、今もあまり掴めてはいないのですが(苦笑;)、でも面白かったです。舞台設定は4部作を読んでいくうちに徐々に頭に入っていくんじゃないかな、と特に覚える努力をしなかったからなぁ。
 全部読んでみないと分からないけど、もしかしたら「世界名作劇場」向きの作品なんじゃないかな。一巻3ヶ月ずつ、一年掛けたら丁度いいんじゃないかしらん。BSじゃなくて復活してほしいんですけどねぇ。