読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

呪文の織り手 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著/三辺律子訳 創元推理文庫 2004年

 英国での出版は1979年。
 〈デイルマーク王国史〉三作目。

 その昔デイルマークが〈川の国〉と呼ばれていた頃。
 異教徒ヒーザンとの戦争に出征した父クラムは戦死、長兄ガルは心を病んで帰って来た。その陰で邪悪な魔術師カンクリーディンが〈川〉に呪いをかけ、全土を洪水が襲う。クラム一家の色素の薄い容姿が異教徒と酷似していたことから、村人はガルたち兄弟を異教徒の仲間と思い殺そうとする。兄弟たちはガルが切れ切れに紡ぐ言葉を頼りに、川を下り始める。いつも炉の傍に置いていた三体の置物〈唯一の者〉(別名〈不死なるもの〉)、〈若き者〉〈女神〉を手に。
 長女のロビンは誰からも好かれる美しい少女、真実を見抜く力があるが今一つ頼りなくて、次女タナクィはいらいらさせられてばかり。次男ハーンは現実主義者、魔法も迷信も信じない頑固者。末っ子の弟ダックは〈女神〉を抱えたまま手放そうとしない。
 川下りの途中、幻のように浮かぶ今は亡き母の言葉を聞いて、タナクィたちは〈川〉の出合うところを目指す。果たしてそこで出会った男タナミルはガルにかかっている魔法を見破り、ガルの魂、ひいては一族の祖先の魂を守るため、ガルの魂を人形に封じ込める。タナミルは他にも、ハーンには体術を、ダックには笛を、タナクィには言葉の織り方を教え、ロビンとは恋に落ちる。だがやがてタナクィたちはまた舟を出す。
 海を目指す途中でヒーザンの若き王カルス・アドンと会い、親交を深める。彼らもまた魔術師に騙されてこの地に来たのだと知る。ただ移住したかっただけなのに戦いとなったことを嘆くカルス・アドン。内陸に行くためにも、カンクリーディンに〈川〉への魔法を解くよう伝えてくれ、と兄弟たちに依頼する。海へ出てカンクリーディンに会う4人。タナクィは彼のローブに織り込まれた物語を読み、彼の真の目的を知り、命からがら逃げ出す。だが今度は〈川の国〉の王に捕まってしまう。
 外見だけならヒーザンにそっくりな兄弟たちは、味方だとなかなか信じて貰えない。タナクィは信仰の対象である黄金に変わった〈唯一の者〉の像を見せ説得。王はその像が〈川〉そのものであると見抜き、川の魔法を解くには水源にその像を捧げるしかない、と上流を目指す。
 だんだんやつれていくロビンを休ませるため水車小屋に泊まり、今までの体験をローブに織り込むタナクィ。ロビンの言葉もあって、タナクィは自らの織ったローブに魔法の力があることを悟る。〈女神〉として今まで兄弟たちを見守ってきたのは母親・アレノスと話し、実は〈若き者〉だったタナミルを呼び出す。タナミルのおかげで元気になるロビン。だが、王はロビンと結婚する、と言い始める。
 とりあえず〈唯一の者〉解き放とうと川を上る一行。タナクィは一人水源に行き、〈唯一の者〉にローブを着せるが、カンクリーディンの魔法のために完全な解放へは至らない。
 カンクリーディンは上流へ迫って来ている。共に撃退しよう、とカルス・アドンは王に協力を求めるが、王は裏切り、カルス・アドンを殺す。自身もカルス・アドンの腹心によって殺される。
 王が直前にロビンと結婚していたこと、カルス・アドンが後継者にハーンを指名していたことから、全てがハーンに圧し掛かって来た。ハーンは〈川の国〉の民もヒーザンも、総力をあげてカンクリーディンと戦うことを指示する。タナミルとダックは魔法を込めた網を張り、川を上ってくるカンクリーディン達魔術師の魂を捕えようとし、タナクィはローブを織り続ける。祖父〈唯一の者〉が起き上がってローブをまとい、大地を引っ張り上げて山と成し、カンクリーディンが地面に落ちて粉々に砕けて散る様を。…

 …しまったなぁ、二作目からすぐ読めばよかった。と言ってもどなたかが借りていたらしく、書架に無かったので仕方ないんですが。
 今回舞台はデイルマーク先史時代、前作で伝説や神として出て来た名前が実際の人物として出てくるんですが、どうも覚えていなくてですね;;(←ばか;) 一気に読んだらその繋がり方でもっと面白かった筈なのに、残念;
 とは言え、兄弟喧嘩しながらも村を追われて旅をする4人(5人?)の様子は楽しかったです。伏線が読み切れず、「え、これ、どう言うこと??」と思うこともあったのですが、そこはそれ、ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作品ですから、もはや諦めの境地です。するする流して分かる所だけ拾ってしまいます(苦笑;)。まぁ、それでも面白いし。
 創元推理文庫ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作品って、解説者の選び方いいですね~。荻原規子さん、沢村凛さん、この巻は粕谷知世さん。2巻、4巻の方は存じ上げなかったのですが、その方の著書まで読んでみたくなるラインナップです。