読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ウィルキンズの歯と呪いの魔法 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著/原島文世訳 早川書房 2006年

 英国での出版は1973年。ダイアナ・ウィン・ジョーンズが初めて書いた児童書。
 ネタばれと言うか、粗筋ばりばり書いてます、すみません;

 家の椅子を壊してしまってお小遣いを貰えなくなったジェスとフランクの姉弟。誰かの仕返しを代行してお金を稼ぐ<仕返し有限会社>を思いつく。ところがお客第一号はいじめっ子のバスターで、この間ヴァーノン・ウィルキンズと喧嘩して歯を折られたから、ヴァーノンの歯を持って来いと言う。フランクがバスターに10ペンス借りていたこともあって、しぶしぶヴァーノンの家を訪ねると、ヴァーノンは丁度
抜け変わる所だった弟・サイラスの歯を寄こして来た。次の日、サイラスの顔が紫色に腫れ上がる。どうやらバスターは、町はずれのボート小屋に住みついている老女ビディ・アイルモンガーに、歯の持ち主を呪うよう依頼したらしい。
 元々魔女だと言う噂はあったが、まさか本当だったとは! 裏付けるように、ジェスとフランクに次々と依頼が舞い込む。ぼろ家に住むアダムズ家のフランシスとジェニー姉妹は、ビディに上手く歩けない魔法をかけられたから解いて欲しいと言い出すし、お屋敷に住む赤毛の少年マーティンはフランシスとジェニーが自分の悪口を言うのを止めてほしい、と頼みに来る。幼いケヴィンはバスターの子分である兄達の様子がおかしい、元に戻してくれ、と置手紙を残す。
 とりあえずビディに直接交渉するがビディはまるで聞く耳を持たない。ジェニーの足を治すにはアダムズ家に代々伝わる家宝を、サイラスの歯の代わりにはバスターが支払った報酬以上の代金を、と要求してくる。仕方なく元はアダムズの屋敷で、今は保養所にもなっているマーティンの家でお宝を捜すジェスたち4人。ジェスはそこで療養している女性ジェシカから邪眼よけの目玉のお守りを貰う。
 ビディの妨害が始まった。アダムズ家のお父さんや画家の叔母さんはビディに操られているようだし、猫もジェスたちを見張っている。サイラスを呪う代わりに自分たちの身を売ったバスターたち9人も襲って来た。ジェスたちはビディの家に忍び込んでサイラスの歯を奪おう、と強硬手段に出る。だがビディの方が上手、バスターたち共々捕まってしまった。
 何とか喋れるのはお守りを身に付けているジェスとフランクだけ、大人も頼りにならない。ジェスは『長靴をはいた猫』の話を思い出す。…

 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作品で黒人が出てくるの珍しい気がする。…いや、見逃してるだけかもしれませんが。
 「初めて書いた児童書」だけあってそんな複雑な話ではなく、すらすらと読めました。軽味と言うか明るさと言うかは相変わらず。やっぱり楽しい。
 魔除けの目玉のお守り、って多分トルコに行ったら露店で山のように売ってるやつですよね~。何を隠そう、私も持ってます、何か嬉しい(笑)。