読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

踊る黄金像 ドナルド・E・ウェストレイク著/木村仁良訳 ハヤカワミステリ文庫 1994年

 米国での初出は1976年。
 ネタばれ、ではありませんがいいところは粗筋で書いてるような気がします、すみません;

 南米デスカルソ国のホセ、エドワルド、ニンニの三人は、国立博物館の「踊るアステカ僧侶像」を横流ししようと企んだ。純金製、目にはエメラルドがはめ込まれた僧侶像は時価100万ドル。複製品15品と共にニューヨークに送られたが、手違いから、〈オープン・スポーツ委員会〉のメンバーへ配られてしまう。受け取り人だったコレラとクラスマイヤーは必死でその16人を捜す。空港から荷物を(不法に)運び出す筈だったジェリーたち《インターエア通運》一行はその中身を知り、横から掠め盗ろうと動き始める。ジェリーの姉アンジェラの浮気相手、プールのセールスマン・ウォリーはクローゼットの中でその話を聞き、やはり黄金像を探し始める。
 持ち主は、委員会のリーダー・オスカー、大学助教授チャック、実業家、大学生のカップル、ホモのカップル、元フットボール選手、女富豪、船長、高校生二人に葬儀屋、高校教師と女優の付き人。次々と像が襲われ、壊れていく。残るはチャックの妻でハープ奏者、ボビーの持つ一つのみ。だがボビーはチャックとの壮絶な夫婦喧嘩の末、ニューヨークを出て行ってしまった。追うジェリー。出会った二人は、こともあろうか恋に堕ちる。ジェリーは悩む。彼女を取るか100万ドル÷人数を取るか。委員会のメンバーたちも真相に気付き、分け前を要求してきた。
 本物の黄金像はどこなのか。横流しがばれたホセたち三人までニューヨークにやって来た(しかも手段はハイジャック)。ドタバタの幕は、6ヵ月後に下りた。…

 以前、宮部みゆきさんが「好きだ」と話してらしたウェストレイク。いつか読みたいなぁ、と思いつつ延ばし延ばしにしてました。宮部さんが誉めてたのは確かドートマンダーのシリーズでしたが、どの本がそれに当たるのかよくわからなかったので、書架に並んでたのを借りてみました。
 なるほど、面白かった。翻訳大変だっただろうなぁ、あちら独特の言い回しとか駄洒落とか、いかにもてんこ盛りなのがありありわかる。そのせいか多少読みにくかったりもしましたが、最後に収束するハッピーエンド、意外な結末も後味よかった。登場人物多すぎて把握できないのが辛いところ(苦笑;)。 
 伊坂幸太郎さんを「和製ウェストレイク」と紹介するのが判りました。でも同じ日本人のせいでしょうか、伊坂作品の方が読みやすいわ、ごめんなさい(笑)。