読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

ふくろう模様の皿 アラン・ガーナー著/神宮輝夫訳 評論社 1972年

 イギリスでの出版は1967年。
 ウェールズの神話・伝説を敷いた物語。

 フリュウ・フラウ・グウフェスは「今地上にいる人間の女は妻に出来ない」との呪いを掛けられた。彼はエニシダ、カシ、メドゥスウィートの花から美女を作り出し、ブロダイウィズと名付けて自分の妻にする。だが、そこにペンリンの領主グロヌー・ペピルが現れた。ブロダイウィズとグロヌーは恋に落ち、やがてグロヌーはフリュウを殺してしまう。フリュウの伯父ギディオンはブロダイウィズを捕まえ、その姿をフクロウに変える。また、フリュウを生き返らせる。フリュウはグロヌーを、自分が殺された谷に立たせ、やはり槍で刺し殺してしまう。
 その谷にある屋敷に、義理の兄と妹になったロジャとアリスンがやってきた。アリスンは屋根裏に隠された一組の古い皿を見つける。草花飾りのその柄は、組み合わせるとフクロウにも見えた。何かに取り憑かれたように装飾を写し、紙のフクロウを作り続けるアリスン。皿の柄はフクロウが増えるにつれ消えて無くなり、白くなって、やがて割れてしまう。その家で働くコックのナンシーは何かを知っている様子、狂ったようにアリスンにその皿を返すように言い、言うことをきかなければ勤めを辞める、とまで言い出す。
 紙のフクロウは何時の間にやらどこかに消えて無くなってしまった。ナンシーの息子グウィンはアリスンにウェールズの神話を語り、アリスンはグウィンに惹かれて行く。その様子はロジャにはまるで面白くない。
 納屋に隠された女性の壁画、フクロウの剥製、川辺にある「グロヌーが槍をよけた」とされる穴の開いた岩。ナンシーと作男ヒュー・ハナーホップの間にも、過去確執があったらしい。大雨の中、ナンシーはグウィンを連れて谷を出ようとする。邪魔をするかのように大木が倒れ、道を塞ぐ。ヒューからペンダントを受け取って気を失ったアリスンに話しかけるよう、ロジャはグウィンに謝る。…

 荻原規子さんがエッセイ『ファンタジーのDNA』で紹介していた作品。荻原さんは「ホラーだ」と仰ってましたが、本当にそうだわ(笑)。
 神話をベースにした、繰り返される三角関係の悲劇。これ子供読んだら夜眠れないんじゃないかしら(笑)。だけどねぇ、元々の文章がそうなのか翻訳がそうなのかわかりませんが、とにかく読みにくい! 誰が、誰に、どういう状況で台詞を言っているのかまぁ掴みづらい。何度も挫折しかけましたよ;; ブロダイウィズが自我に目覚め創造主に反抗する、ってのは判るんですが、内容も鬱々と堂々巡りだしねぇ(苦笑;)。
 いや~、児童書にしては本当、珍しかったです。