読書記録~防忘録~

読書記録です。時々、漫画やアニメにも独り言してます。

魔道祖師 1 墨香銅臭 著/鄭穎馨 訳/千二百 挿画 フロンティアワークス 2021年

 ネタばれになってるかも、すみません;

かつて「悪の道に堕ちた」と人々から恐れられた魏無羨(ウェイ・ウーシエン)は、すべてを失い非業の死を遂げた。しかし、それは自らの信念を貫いた証だった。
それから13年後――別人の体に召喚され、思いがけず現世に蘇る。
正体を隠し過去と決別しようとするが、よりによって少年の頃から文武を競い合った宿命の相手、藍忘機(ラン・ワンジー)と再会してしまう。

自由奔放で快活な魏無羨(ウェイ・ウーシエン)と、品行方正で寡黙な藍忘機(ラン・ワンジー)。
前世の記憶の中では衝突してばかりいたはずなのに、なぜか彼はそばを離れようとせず――。

あの日の旋律が、再び二人を巡りあわせる。(出版社紹介文より)

 ある日唐突に、魏無羨は蘇った。13年前に死んだ彼の魂を呼び出したのは莫玄羽、名門 蘭陵金氏の前当主 金光善が地方の女性に産ませた少年。一旦は父親側に引き取られたが、仙術の才があまりないと見限られた上、素行も悪いと生家に帰された。生家で虐められた彼は、伯母や従兄弟に復讐しようと、我が身を供物として悪霊と名高い魏無羨の魂を宿らせる。不完全な術で目覚めさせられたせいで状況が呑み込めない魏無羨の前に、呪いを掛けられた左腕が現れて、結果的に莫玄羽の怨みを晴らして行く。左腕を鎮めたのは、姑蘇藍氏の藍忘機。この近辺では以前から邪崇が現れており、退治のため姑蘇藍氏の若手修士が派遣されて来ていた。
 生前、生真面目な藍忘機とは反りが合わず、色々経緯があった魏無羨はすぐにその場を逃げ出したが、行きついた大梵山でも邪崇騒ぎがあり、またしても藍忘機はじめとする馴染みの人々に出くわす。大梵山で起きていた食魂騒ぎの真相を洞察してみせる魏無羨。邪崇退治の為やむを得ず屍人  温寧を召喚する。何故か自我を失っている温寧を、笛を吹いて操る莫玄羽(魏無羨)を見て、藍忘機は彼を藍家に連れて帰るといい、魏無羨を困惑させる。藍家はかつて、魏無羨たち少年修士の学びの場だった。
 あまりいい思い出のない藍家を追い出されようと、藍忘機に嫌がらせをする魏無羨。だが藍忘機はそれを軽くいなし、結局二人は莫家を襲った左腕の、残りの部位を共に探すことになる。
 左腕の導くまま、清河聶氏の刀墓で両脚を、常家の墓で胴体を見つけた二人。次に訪れたのは不穏な噂のある町 義城、葬送品を特産としている町で、今そこは霧の立ち込めた、彷屍が徘徊する町と化していた。二人は義城で、盲目の道士 暁星塵と出会う。暁星塵はかつて、屍を扱う術 鬼道を追求していた薛洋の逆恨みにあい、親友の宋嵐を怪我させてしまって以来行方不明となっていた道士だった。そして、魏無羨たちを襲ってきた彷屍は、自らを宋嵐と名乗る。…

 中国でTVアニメ化され、日本でも昨年輸入放送された中華ファンタジー。このアニメ、私も見てたんですがとにかく絵は流麗、でも内容についていけず(…;)。中国の人の古代中華文化への一般教養のレベルってこんな感じなのか、文化の違いって凄ぇ、と舌巻いてました。…と思ってたら、「アニメの方は時速200kmだから!」「原作小説読んで!」というSNSの叫び声が耳に入りまして(笑)。丁度図書館に入って来たので手に取りました。
 …長い…! 約380頁2段組、全4巻…! ただでさえ中国物は三国志の時代から苦手なのにと少々怖気付きつつ(苦笑;)。
 アニメが凄くいいガイドになりました。「ああ、あの場面ね」と思い浮かぶのが補助になって、そこそこすらすら読めました。アニメでは「え、私一話見逃したかしら…?」って思うほど唐突だったエピソードもちゃんと繋がって理解できましたし(笑)。いや、人物名なかなか覚えられず、最初の人物紹介欄に栞挟んで「これ誰だったっけ」って確認する、ってのは何度もやりましたけど。一族郎党似た名前の上、姓名字号に幼名まであるんだもんなぁ; もう何度も「アニメでのCVも書いといてくれ…!」って思いましたよ(苦笑;)。
 アニメでは、藍忘機が かつて魏無羨と仲が悪かったのに、転生後には何だか懐いてるのが不思議だったんですが(酒に酔って独占欲が激しくなるくだりなんか、まぁ可愛らしいこと!・笑)、これもミステリというか主題の一つだったのね~! 
 そう、全体的に流れる雰囲気ミステリなんですよね。そこに巣食ってるのがどんな怪異なのか、出来事を一つ一つ検証して推察していく。同時に、過去と現在の出来事が少しずつ書かれて、何故こうなってるのかという説明もなされて行く。
 1巻後半のエピソードはアニメにはなってませんでしたよね、というか屍体探しの旅になんか出てたっけ? 本筋を貫くエピソードっぽいんだけど。
 次巻に続きます。…頑張るぞ~!